SANSUI TU-777
¥37,800(1968年3月発売)
解説
FETとRF2段4連バリコンのフロントエンドをはじめ、3段AGC、IF5段、リミッター4段などの他、最高級チューナーとして様々な機能を装備したFM/AMチューナー。
FMフロントエンドは、RF初段にジャンクション型FET、RF2段目とミキサー、オシレーター回路にはシリコントランジスタと4連バリコンを採用しています。
シリコントランジスタ採用のIF5段の中間周波数とリミッター4段で高増幅度、高安定度、低雑音、低歪率を誇っています。
フロントエンドに2段と、IF部には、特にAGC専用に非同調段を1段設けた3段AGCで、強電界での選択度も万全を期しています。
IF段とフロントエンドの電源はツェナーダイオードの安定化電源を採用し、特にフロントエンドは局発を完全に温度補償し、さらに電源の安定化で、局発ドリフトを最小限にしてAFC回路を除くことに成功しています。
ノイズキャンセラーには、従来のハイカット方式をやめ、周波数の高い可聴範囲をカットすることなく、ノイズを除くことができる新方式を採用することで、4段リミッターとあいまって、ノイズのない快適な受信ができます。
メーターおよびミューティング専用アンプを特に設けると共に、同調指示にはグリーンリングのサーキュラーダイアルの大型メーターを採用して見やすくし、同調点をシャープにして電波の中心にあわせられます。
マルチ回路は、シリコン化を図った上、最も安定度、信頼度の高いスイッチング方式を採用して、チャンネルセパレーションを改善しています。
純電子式のFMステレオ・モノラル切替を搭載しています。
FM-AUTOではFM放送がモノラルからステレオになると電子スイッチが自動的に動作します。
FMアンテナは、ローカル・ディスタントスイッチで20dBダウンのアッテネーターを搭載しているので、アンテナに3V程度までの入力が入っても歪みません。
また、300Ωと75Ωの2回路のインピーダンス端子が設けられています。
AMチューナー部もRF1段3連バリコンを採用しており、フェライトバーアンテナが内蔵されているので、アンテナ線無しで十分です。
出力回路は、どのようなアンプにも接続できるように半固定の出力レベルアジャストがつけられ、またFMマルチプレックスのセパレーションアジャストつきです。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | 20dB quieting:1.4μV±3dB IHF:1.8μV±3dB |
全高調波歪率 | 0.8%以下(入力60dB、100%MOD) |
SN比 | 65dB(入力60dB、100%MOD) |
選択度 | 50dB以上 |
イメージ比 | 80dB以上 |
IFリジェクション | 95dB以上 |
キャプチャーレシオ | 2.5dB(IHF) |
スプリアスレスポンス | 90dB以上 |
FMステレオ・セパレーション | 35dB以上 |
不要輻射 | 34dB以下 |
ローカル/ディスタント スイッチ | ローカル20dBダウン ディスタント ダイレクト |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 535kHz~1605kHz |
感度 | 15μV±3dB(20dB、1000kHz) |
イメージ比 | 50dB(1000kHz) |
IFリジェクション | 100dB以上(1000kHz) |
選択度 | 20dB(入力60dB、1000kHz) |
<総合> | |
定格出力電圧 | 2V(0~2V可変) |
負荷インピーダンス | 100kΩ以上 |
使用半導体 | トランジスタ:28 FET:1 ダイオード:24 |
電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅345x高さ155x奥行334mm |
重量 | 7.7kg |