解説　

主要回路に高信頼性の専用ICを採用し諸特性を向上させたFM/AMチューナー。

FMフロントエンドでは、ノイズや歪の少ないデュアルゲイトMOS型FETをRF段に使用しています。周波数直線型3連バリコンと組み合わせ高感度を得ています。
また、特にアンテナアッテネータースイッチを備え、強電界地域などのハイレベル信号に対してクロスモジュレーション特性が大幅に改善されています。

FM IF段には広帯域で選択度の優れている高性能セラミックフィルター2段構成(4素子)で使用し、選択度の向上と、位相特性の改善を図っています。
また、リミッター段に専用モノリシックICを使用し、不要な振幅変調成分を排除したSNの高い特性となっています。

FMマルチプレックス部には高集積度のICを使用し、検波段からの合成信号を優れたセパレーションで再現します。

AMチューナー部は高集積度ICとヤー万タイプ、セラミックフィルターなどで構成され歪の少ない設計となっています。

ダイヤル面には、スケール面の文字を残しして腐食させた特殊アルミエッチングで処理を施し経年変化に強い構造となっています。さらに、ダイヤル指針に超小型発光ダイオードを使用しています。

スムーズにチューニングの行えるバックテンションスプリング方式を採用しています。
ダイヤル糸に一定の張力を持たせ、正確なチューニングが可能となっています。

電波の強さを表わすシグナルメーターと正確な同調点を表すセンター・チューニングメーターを搭載しています。

電源部は定電圧電源回路による安定化電源を全回路に供給しています。
これにより各ブロック段の動作は安定度の高い動作が得られます。

シグナルメーターは入力レベルに比例して正確に指示するリニアメーター方式を採用しています。

ノイズキャンセラースイッチによりFM雑音をカットできます。

FMアンテナ端子は300Ω/75Ω同軸用を装備しています。

2系統の出力端子を搭載しています。

出力レベルが調整可能です。

ディスクリミネーター検出型FMミューティングを搭載しており、同調周波数とのズレを検出し、一定歪率以下になるまで音がでないミューティング方式となっています。

大型アース端子、予備ACコンセントを搭載しています。

ディスクリミネーター出力端子を搭載しており、FM4ch放送に対応していました。

機種の定格

型式	FM/AMチューナー
<FMチューナー部>
感度(IHF)	1.9μV
全高調波歪率	mono:0.3%以下 stereo:0.4%以下
SN比	70dB以上
選択度	60dB以上
キャプチャーレシオ(IHF)	2.0dB
イメージ・フリクエンシー・リジェクション	55dB以上(83MHz)
IFリジェクション	80dB以上(83MHz)
スプリアスレスポンス・リジェクション	70dB以上(83MHz)
ステレオ・セパレーション	40dB以上(1kHz)
周波数特性	20Hz～15kHz
アンテナ入力インピーダンス	300Ω(平衡型) 75Ω(不平衡型)
<AMチューナー部>
感度(バーアンテナ)	50dB/m(1MHz)
選択度	30dB以上(1MHz±10kHz)
イメージフリクエンシー・リジェクション	80dB以上(1MHz)
IFリジェクション	80dB以上(1MHz)
<総合>
出力電圧	0V～0.775V(FM100%MOD.可変)
録音出力電圧	0.4V
定格消費電力	9W
外形寸法	幅434x高さ130x奥行243mm
重量	6.9kg