SANSUI FR-4060
¥58,000(1973年頃)
解説
電子式オート機構を搭載したオートマチックレコードプレイヤー。
従来のマニュアルプレヤーの基本性能と機能をそのまま受け継いでオート化しています。
オートプレイヤーで問題になるアームの側圧の影響については、マグネットとリードスイッチ、専用16極タイミングモーターを使用した独自のオート機構により解決しており、全てのオート動作が定速で行えます。
Start/Cutにキューイングレバーを引けば自動的に演奏に入り、演奏終了と同時にアームアームレストに戻って電源も切れます。また途中で演奏をカットするのも、レバーのワンタッチ操作で行えます。さらに繰り返し演奏を楽しみたい場合はレバーをREPEATに倒すことで連続演奏が可能です。
オート機構はレコード演奏中全くメカ的には無接触なため、オート動作中でもマニュアルセットを行う必要がなくアームを手で操作するだけで自由にマニュアル操作ができます。
駆動部のターンテーブルシャフトは、センターレス研磨で表面を処理し、さらに摩擦をゼロにするため高性能特殊グリースを使用しています。
また、軸受けにはテフロン材を採用し、30cmアルミ合金ダイキャスト製1.7kgのターンテーブル、両面研磨のポリウレタンベルト、4極シンクロナス・モーターとあいまってワウ・フラッターを極小にしています。
トーンアームにはスタティックバランスS字型パイプアームを採用しており、2チャンネルだけでなく4チャンネルレコードへの対応もは合っています。さらに、共振を防ぐためウェイト軸には耐振ゴムダンパーを使用しています。
また、インサイドフォースの打消しには糸巻状の精密スプリングの反発を応用し、針圧に応じツマミのメモリを合わせるだけで最適の打消量がゼロから選べます。
アームリフターを搭載しています。
カートリッジにはMM型カートリッジであるSV-27を搭載しています。
振動系の質量を極めて小さくし、MM型ながらカンチレバーのダンパー部保持機構を独特の構造にすることで、水平垂直変位に対する追従性、過渡特性を改善しています。また、4チャンネルレコードの場合に問題となる位相差を改善するため、左右チャンネルの位相差を極力小さくしています。
ハウリングを防止するため、特殊合成ゴムのインシュレーターを採用しています。
背面ソケットに接続できる低容量出力コードを採用しており、高域減衰を抑えています。
アーム、シェルの接続端子には金メッキを採用しています。
ラテラルバランサー、着脱可能フリーストップダストカバー、シェルスタンド、サブウェイトを装備しています。
ミューティング回路を搭載しており、ノイズやショックもなくスムーズな演奏が楽しめます。
リモートコントロールソケットを搭載しており、別売りのリモートコントローラーを使用することで3m離れた場所からオート動作が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオレコードプレヤー |
オート動作機構 | 3rpmの16極シンクロナスモーターによる自動方式 (リードイン、リターン、カット、リピート及びアームリフト) |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 30cm径、1.7kgアルミ合金ダイキャスト製 |
モーター | 4極シンクロナス型 |
駆動方式 | ベルトドライブ方式 |
定格回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウ・フラッター | 0.06%以下 |
S/N | 50dB以上 |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | スタティックバランス型、針圧直読式S字パイプアーム インサイドフォースキャンセラー、ラテラルバランサー付 4端子プラグイン・ヘッド式 |
全長 | 220mm(実効長) |
オーバーハング | 15mm |
使用可能カートリッジ最大重量 | 20g(付属シェル、サブウェイト使用) |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | ムービングマグネット型(SV-27) |
周波数特性 | 10Hz~23kHz |
出力電圧 | 3.5mV(1kHz、50mm/s) |
標準負荷インピーダンス | 50kΩ |
針先 | 0.5milダイヤ針(SN-27) |
適正針圧 | 1.5g |
<総合> | |
最大消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅469x高さ204x奥行381mm |
重量 | 10.6kg |