SANSUI SE-9
¥79,800(1981年頃)
解説
グラフィックイコライザーの機能に加え、マイコンに音場の特性をフラットにする機能をもたせたコンピュ・イコライザー。
4bitのマイクロコンピューターを搭載しており、サンスイ独自のプログラムによるマイコンが、リスニング・ルームの色々な条件を読み取ります。
まず、マイコロホンをリスニング位置に設置し、コンペンセート・ボタンを押します。すると、ジェネレーターからピンク・ノイズを発生させ、左右のスピーカーから交互に0.5秒ずつ、音が放射されます。それを、付属の測定用マイクがキャッチし、音場情報をリアルタイムにマイコンに伝えます。
マイクロホンを通して得られた音場情報は、8帯域のスペクトラム・アナライザーで帯域別レベル情報に変換し、マイコンに伝えます。そのデータを、高速処理能力をもつマイコンが判断し、フラットレスポンスを割り出します。
そして、グラフィック・イコライザー部のフェーダードライブメカニズムに指令を伝達し、16素子のフェーダーを自動的に移動させます。ここで、フェーダー位置の確認情報がマイコンにフィードバックされ、エラーがあれば修正します。
これらの処理は約30秒で行われます。
メモリー機能を搭載しており、フラット特性を記憶して、ワンタッチで呼び出すことが可能です。
部屋の条件が変化したり、リスニング位置が変った場合など、新たなデータを記憶すれば、自動的に前の特性は消去します。
また、マニュアル時に作り出した特性カーブを4パターンまで記憶し、呼び出すことも可能です。このメモリーは2段構えとなっており、プロがコントロールした4パターンのサウンド・メニューが固定プログラムされています。
グラフィックイコライザー部は8帯域を左右独立調整方式で±12dBのイコライジングが可能です。
フェーダーは60mmストロークのスライドボリュームで連続可変が可能です。
音の動きをリアルタイムに映像化する8帯域スペクトラム・アナライザーを搭載しています。
音楽再生時(Line/Reset)には、音楽の周波数スペクトラム、音場測定時(Analyze)にはシステムの音場周波数特性を見て確認できます。
低雑音ICの半導体インダクター回路により音を汚すコイルを排除しています。
テープデッキが2台接続でき、ボタンのセレクトでTape-1、Tape-2、ソースの各モニターが可能です。
また、ダビング機能により、Tape1→Tape2、Tape2→Tape1をイコライジングした相互ダビングができ、出力レベルコントロールも搭載しています。
イコライザー回路を通さず、ダイレクトに入出力回路が接続できるDefeatポジションを搭載しています。
機種の定格
型式 | コンピュイコライザー |
可変範囲 | ±12dB、左右独立 |
中心周波数 | 80Hz、160Hz、315Hz、630Hz、1.25kHz、2.5kHz、5kHz、10kHz |
入力感度/インピーダンス | Input:1V/30kΩ Tape1、2:1V/30kΩ Mic:4mV/47kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Tape Rec1、2:1V/50Ω Pink Noise Level:500mV/600Ω 定格出力:1V/47kΩ |
全高調波歪率 | 0.008%(定格出力) |
周波数特性 | 10Hz~100kHz +0 -1dB(フラットポジション時) |
SN比(IHF) | 110dB |
ゲイン | 0dB(フラットポジション時) |
消費電力 | 30W |
外形寸法 | 幅430x高さ148x奥行311mm |
重量 | 6.6kg |
付属:マイクロホン | |
型式 | エレクトレット・コンデンサー型 |
感度 | -65dB |
インピーダンス | 600Ω |