オーディオの足跡

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QSC-9050の画像
 解説 

サンスイ独自のQSバリオマトリックス回路などを採用した4チャンネルプリアンプ。

デコーダー回路にはサンスイQSレギュラーマトリックス方式を採用しています。
QSレギュラーマトリックス方式は、スクエアマトリックスを基準に、90度位相シフターから構成されています。この回路では出力信号を独自の最新技術であるQSバリオマトリックスによって再生するため聴感上最適なセパレーションがとれ、音楽性の向上を実現しています。
さらに新開発の2-4変換エンコーダー回路によって従来の2チャンネルソースを4チャンネルに変えることも可能です。

従来のマトリックス4チャンネル方式では後方2つのスピーカーの位相関係が逆になる逆位相障害が起こりがちでした。この障害を解消するために90度位相シフターを搭載しており、左後方を-90度、右後方を+90度(エンコーダー部では逆)位相をずらし正相に戻しているため、正確な音像定位を実現しています。

QSバリオマトリックス回路では方向性マスキングと呼ばれる音響現象を応用したもので、大きさと方向の違う2つの音が同時に耳に達すると、人間の耳は強い音の方向に気をとられ、弱い音の方向性がマスクされる現象を利用しています。
QSバリオマトリックス回路ではマトリックス係数を瞬間瞬間に変化させ、主信号(強い音)の指向性がはっきりするよう制御し、各チャンネル間のセパレーションを向上させています。
制御には特別な位相弁別器を採用しており、入力信号の位相を検出して得られる制御信号を使用しています。ゲインコントロール技術と異なり、再生時の信号エネルギー量は入力信号と全く変わりません。バリオマトリックス回路はマトリックス係数の制御レベルの選定によって、理論上は無限大のチャンネル間セパレーションが得られますが、サンスイは音楽再生の観点から、聴感上最適の数値に設定しています。

QSレギュラーマトリックス方式では、サンスイ独自のシンセサイザー機能をさらに向上させた新開発の2-4変換エンコーダー回路を搭載しています。通常の2チャンネルソースを再生する時は信号に特殊処理を施し、後に続くQSバリオマトリックス回路によって効果的に4チャンネルに変換します。

4-2変換のエンコーダーと2-4復元のデコーダーを搭載しています。
エンコーダーを録音側に使うと全ての4チャンネルソースは従来の2チャンネル信号の形に変更されるため、レコードのカッティング技術や設備も従来のままで行えます。また、FM放送局の設備を変えること無く4チャンネルの放送が可能です。
QS方式などのレギュラーマトリックス方式の4チャンネルレコードや、FM4チャンネル放送の効果的な再生にはデコーダー機能が利用できます。

QSバリオマトリックス回路にわずかな付加回路を加えたフェイズマトリックス機能を搭載しており、サンスイ独自のフロント/バックロジック回路が構成されています。
これによりSQ方式で作られた4チャンネルソースを十分なセパレーションで再生することができます。

ディスクリート4チャンネル再生機能を搭載しており、4チャンネルテープデッキやCD-4などの再生装置を接続して4チャンネルディスクリートソースの再生ができます。

ファンクション機能を搭載しており、ソースの録音方式や曲目、編成などによって7ポジションの中から最適な音場をコントロールできます。
QS Synthesizer-SurroundではQSバリオマトリックス回路と新開発の2-4変換エンコーダー回路によって一般のステレオレコードやテープ、FMステレオ放送をサラウンドで4チャンネルに変換できます。また、QS Synthesizer-HallではQSバリオマトリックス回路と新開発の2-4変換エンコーダー回路によって一般のステレオレコードやテープ、FMステレオ放送などのライブな演奏をホール感を出して再現できます。
QS Regular Matrix-SurroundではQS方式などのレギュラーマトリックス方式の4チャンネルソースをQSバリオマトリックス回路を通してサラウンドで4チャンネル再生します。また、QS Regular Matrix-HallではQS方式などのレギュラーマトリックス方式のライブな4チャンネルソースをQSバリオマトリックス回路を通してホールの雰囲気で再現します。
Phase MatrixではSQ方式で作られた4チャンネルレコードやテープ、FMステレオ放送を再生できます。
Discreteでは4チャンネルテープデッキやCD-4再生装置の接続で4チャンネル再生が可能です。
2chは2チャンネルのプログラムソースを聞く場合に使用します。

イコライザー回路にはPNP-NPN-PNP3段直結回路を採用しています。
3段直結イコライザー回路は3個のトランジスタを組み合わせ、定電圧電源から44Vの高電圧を供給しています。また、誤差の少ない抵抗やコンデンサー類の帰還素子を厳選して使用しています。

トーンコントロールアンプは前段をPNP-NPNの2段直結回路とする構成を採用しており、トーンコントロール・ブースと時も広ダイナミックレンジと安定性を確保しています。
また、4チャンネルボリュームは後段に設け、信号の大きいところでボリュームが使えるのでS/Nが向上しています。

出力段にエミッターフォロワー回路を採用しており、出力インピーダンスは低い値に設計されています。
また、電源ON/OFF時のポップノイズはトランジェントキャンセラーで排除しています。

定電圧電源回路を採用しており、安定した動作を可能にしています。

機種の定格
型式 4チャンネルプリアンプ
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono1、2:2.5mV/50kΩ
4ch Tuner、4ch Aux1、2、4ch Tape mon1、2:100mV/50kΩ
Tape mon(PIN)、Tape mon(DIN):100mV/50kΩ
出力電圧/インピーダンス(1kHz) 2ch Tape rec(PIN):100mV/2kΩ
2ch Tape rec(DIN):30mV/65kΩ
4ch Tape rec1、2(PIN):100mV
4ch Pre out1、2:800mV/600Ω
           6.5V(最大出力、THD 0.5%以下)
全高調波歪率 0.05%以下(定格出力)
混変調歪率 0.05%以下(定格出力、70Hz:7kHz=4:1 SMPTE)
周波数特性(定格出力) Tuner、Aux1、2、4ch/2ch Tape mon:10Hz~90kHz ±1.0dB
クロストーク(定格出力、1kHz) Phono1、2:45dB以上
4ch Tuner、Aux1、2:50dB以上
4ch Deck1、2:50dB以上
2ch Deck:50dB以上
ハム及びノイズ(IHF) Phono1、2:70dB以上
4ch Tuner、Aux1、2:80dB以上
4ch Deck1、2:80dB以上
2ch Deck:80dB以上
トーンコントロール Bass:±15dB(50Hz)
Treble:±15dB(15kHz)
ラウドネス(Volume-30dB) +8dB(50Hz)、+3dB(10kHz)
シンセサイザー/デコーダー サンスイQSレギュラーマトリックス方式
(QSバリオマトリックス回路内蔵)
使用半導体 トランジスタ:66個
FET:2個
ダイオード:45個
定格消費電力 15W(最大16.5VA)
外形寸法 幅440x高さ140x奥行322mm
重量 9kg