SAEC TC-11
¥32,000(1978年頃)
解説
タイムコンスタント・イコライザー。
MM型に代表される静電型カートリッジはいわゆる交流発電機であり、カンチレバーの振動によって電流が流れます。しかし、これと同時にこの電流によって負荷電流というカンチレバーに対する制動力も発生してしまいます。この周波数の変化に伴なうカンチレバーへの制動力が周波数特性や位相特性を狂わせ、音像の不定位となり、音を曇らせます。
TC-11はこの制動力を原理的に抹消するために開発されたタイムコンスタント・イコライザーで、カートリッジの出力電圧はRIAAカーブにより忠実に、その電流はRIAAカーブに関係なく一定にし、位相特性も正確にします。
TC-11はプレイヤー出力とEQアンプ入力との間に挿入して使用します。
市販カートリッジのMM型、IM型の殆どの機種に適合します。
TC-11の使用にあたり、プレイヤーシステムの出力コードにはCX-8003、アンプ間のラインコードにはLXシリーズを推奨しています。
機種の定格
型式 | タイムコンスタント・イコライザー |
切換 | Circuit in/Bypass |
入力 | Inductance/Resistor=0.000025~0.0012 |
負荷インピーダンス | 50kΩ ※出来る限り高い値 |
左右クロストーク | 90dB以上(1kHz) |
出力コード | CX8003(0.17μH、16pF、0.04Ω)500mm |
外形寸法 | 幅125x高さ70x奥行85mm |
重量 | 550g |