Pioneer PAX-38X
¥51,800(1969年頃)
解説
38cmの3ウェイ複合型スピーカーユニット。
PAT-38Xは、ボイスコイル、磁気回路が完全に独立した3つのユニットが一体化した3ウェイスピーカー構成となっています。
構造は、ウーファーの磁気回路にあるセンターポールが空洞になっており、これとウーファーのコーン紙がスコーカーのホーンを構成しています。また、スコーカーの磁気回路はスピーカーの最後部に取付けられています。
トゥイーターは、ウーファーの中心軸上から少しずれた位置にブリッジにより取付けられています。
ウーファー部分のコーン紙には、クロスエッジコーン(コーン紙のエッジ部分に別に造られた布エッジを貼り付けられたもの)を採用しており、そのエッジ部分に特殊なダンプ剤を塗布してあります。これにより最低共振周波数を下げ、低音域の歪が減少されています。
ボイスコイルにはアルミ線を使用しており、断線を防ぐために特殊な硬化導体塗料が施されています。
中域・高域にはホーン型を採用しています。
振動板にはポリエステル系の樹脂フィルムを使用しています。
ポールおよびヨークは、磁束分布を厳密に測定したうえで、磁束分布のアンバランスが最も少なくなるような形状を採用し、ボイスコイルに加わる駆動力が常に一定になるように設計することで、歪を低減しています。
ダンパーには、円型コルゲーションの付いたものを採用することで、中心保持の安定性を高め、さらにダンパーの非直線性による歪の発生を低減しています。
外装は、フレーム及びヨークキャップに焼付塗装が施されています。またヨークキャップの頂点部分には透明プラスチック材を使用して、スコーカーのダイアフラムが見えるとともにスピーカー中心軸上の前後が見えます。
専用に設計された3ウェイネットワークが付属しています。
このネットワークは、グレイに焼付塗装された一つの金属ケースの中にL、Cおよびアッテネーターが組合わされ、各帯域の減衰量は12dB/octとなっています。
専用ネットワークとの結線は、Wがウーファー、Sがスコーカー、Tがトゥイーターとの結線です。
なお、アッテネーターの標準位置は、スコーカーがMIN位置から4番目、トゥイーターがMIN位置から3番目となっています。
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- 寸法図の寸法は低域再生限界20Hz時。括弧内は低域再生限界50Hz時
機種の定格
型式 | 38cm3ウェイ同軸型スピーカー |
<ユニット部> | |
入力インピーダンス | 16Ω |
最低共振周波数 | 21Hz~29Hz |
再生周波数特性 | 20~20kHz |
最大入力 | 60W |
定格入力 | 40W |
出力音圧レベル | 103dB/W |
等価質量 | 77g |
総磁束 | ウーファー:290,000maxwell スコーカー:70,000maxwell トゥイーター:32,500maxwell |
磁束密度 | ウーファー:10,000gauss スコーカー:13,200gauss トゥイーター:13,500gauss |
取付穴寸法 | 365又は426mm |
バッフル開口 | 330又は392mm |
外形寸法 | 直径444x奥行328mm |
重量 | 15kg |
<ネットワーク部> | |
型式 | 並列型3ウェイ |
減衰量 | ウーファー:12dB/oct スコーカー:12dB/oct トゥイーター:12dB/oct |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、3kHz |
インピーダンス | 16Ω |
アッテーネーター | AT-16A(中高域とも) |
取付開口 | 幅80x190mm |
取付穴寸法 | 横:60mm 縦:206mm |
最大外形寸法 | 幅90x高さ230x奥行123mm |
重量 | 1.8kg |