Pioneer TX-620
¥28,500(1972年頃)
解説
音質を重視するため、裏付けになる性能を追及して開発されたFM/AMステレオチューナー。
FMフロントエンドには、選別した低雑音のFETと周波数直線型3連バリコンによるRF増幅1段付の構成となっています。
IF部は、FM専用の高集積度ICを採用したリミッター5段の構成で、安定したリミッター特性を得ています
また、検波には広帯域にわたり直線性に優れたQuadrature方式を採用しています。
選択素子には、フェイズリニアセラミックフィルター(2素子x2)を採用しています。この素子はシャープな選択特性を持っているとともにIFの通過帯域内の位相特性が良好なため、広帯域にわたり歪が少なく、良好な特性を得られます。
MPX部には高集積度ICによるダブルバランス型差動復調回路を採用しているため、安定したセパレーションを得ています。
また、シャープな遮断特性のローパスフィルターによりキャリアリークを除去しています。
AM受信部は非同調RF1段増幅付で高集積度の専用ICを使用しています。
このICはAGC特性が優れているため、検波出力が一定に保持され、強電界地域でも安定した受信が可能です。
また、ミキサー段は平衡型で局部発振波形の歪が少なく、スプリアス特性も優れています。
IF段にはセラミックフィルターを採用しています。
メーターには、FMではセンターチューニング、AMではシグナルメーターとして働くものが採用されています。
弱電界でのステレオ受信時に入る雑音を除去するためMPXノイズフィルターを搭載しています。
FMとAMの独立した出力レベルコントロールをリアパネルに搭載しています。
機種の定格
型式 | AM/FMステレオチューナー | ||
<FMチューナー部> | |||
回路方式 | FET RF1段、3連バリコン、 5段リミッター、Quadrature検波 |
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実用感度(IHF) | 1.9μV | ||
キャプチャーレシオ(IHF) | 1.5dB | ||
実行選択度(IHF) | 60dB | ||
S/N | 70dB | ||
イメージ妨害比(82MHz) | 60dB以上 | ||
IF妨害比(82MHz) | 90dB以上 | ||
スプリアス妨害比 | 75dB以上 | ||
AM抑圧比 | 50dB | ||
高調波歪率 | mono:0.2%以下 stereo:0.4%以下 |
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周波数特性 |
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ステレオセパレーション | 1kHz:40dB以上 50Hz~10kHz:30dB以上 |
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キャリアリーク抑圧比 | 60dB | ||
アンテナ | 300Ω平衡型 75Ω不平衡型 |
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付属回路 | ミューティング(ON-OFF) MPXノイズフィルター(ON-OFF) |
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<AMチューナー部> | |||
回路方式 | 非同調RF1段2連バリコン | ||
実用感度(IHF) | バーアンテナ:300μV/m 15μV |
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選択度 | 35dB | ||
S/N | 50dB | ||
イメージ妨害比 | 40dB以上 | ||
IF妨害比 | 50dB以上 | ||
アンテナ | フェライトバーアンテナ付 | ||
<総合> | |||
出力レベル/インピーダンス | Fixed:580mV/2.7kΩ Variable:60mV~1.8V/2.5kΩ |
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使用半導体 | FET:1個 IC:3個 トランジスタ:8個 ダイオード他:6個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
コンセント | 電源スイッチ連動:1系統 | ||
定格消費電力 | 12W | ||
外形寸法 | 幅415x高さ132x奥行340mm | ||
重量 | 6.7kg |