Pioneer F-003
¥42,000(1979年頃)
解説
タッチセンサーサーボロック方式を採用したFMステレオチューナー。
タッチセンサー・サーボロック方式は、チューニングノブをまわし、指針が希望する放送局をとらえたところでノブから手を離すと、この同調点で周波数をロックする方式で、一度同調をとれば温度や湿度の変化があっても同調ズレがありません。
さらに、希望放送局の周波数から±400kHzの範囲まで強力な引き込み能力があり、常に安定した受信状態が保てます。また、一度電源を切っても再びスイッチを入れれば、同じ放送局を正しくキャッチする再ロック回路を内蔵しているため、留守録の際にも同調ズレの心配がありません。
パイオニアが独自開発したパイロット信号オートキャンセル回路を搭載しています。
この回路は、19kHzカットのローパスフィルターを用いずにパイロット信号だけを打消す回路で、フィルターの影響による高域低下がなく、周波数特性を広帯域化しています。
また、この回路は放送局のパイロット信号レベルが変動しても自動的に追従してキャンセルします。
IF部には、ディレー特性を大幅に向上させた2素子リニアフェイズセラミックフィルターを3段使用しています。この素子の採用により、従来問題であった選択度特性と歪率特性の相反する特性を同時に改善しています。
パイオニア専用の高集積度ICをさらに高性能化したPA-3001A(IF部)、PA-1001A(MPX部)、PA-1002A(出力部)などの採用によりさらなる特性改善を図っています。
フロントエンド部は、デュアルゲートMOS FET3個とFM5連バリコンの構成となっています。
FMレコーディングレベルチェックを内蔵しており、330Hzの信号をFM50%変調のレベルで送り出しています。
カセットデッキでは-2~0dB、オープンリールデッキでは0~+2dB付近にメーターの指針をセットするのを推奨しています。
アウトプットボリュームを搭載しています。
ミューティングスイッチを搭載しています。なお、ミューティングOFFでサーボロックもOFFになります。
マルチパス出力端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | FMステレオチューナー |
実用感度 | 1.6μV/9.3dBf(新IHF) |
S/N50dB感度 | mono:3.0μV/14.8dBf(新IHF) stereo:37μV/36.5dBf(新IHF) |
S/N比(80dBf入力時) | mono:82dB stereo:77dB |
高調波歪率(1kHz) | mono:0.06% stereo:0.08% |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
実効選択度 | 75dB(400kHz) |
ステレオセパレーション | 55dB(1kHz) |
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.2 -0.5dB |
イメージ妨害比 | 120dB |
IF妨害比 | 110dB |
スプリアス妨害比 | 110dB |
AM抑圧比 | 65dB |
サブキャリア抑圧比 | 70dB |
ミューティング動作レベル | 5μV/19.2dBf(新IHF) |
出力レベル/インピーダンス(100%変調) | Fixed:650mV/4.2kΩ Variable:0~1.3V/3.6kΩ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 18W |
外形寸法 | 幅420x高さ155x奥行380mm |
重量 | 7.6kg |