オーディオの足跡

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TAD-M1の画像
 解説 

1975年にスタートしたTAD(Technical Audio Devices)が、従来のオーディオ再生からDVD-AudioやSACDのような高解像度フォーマットの再生などのあらゆる環境に応える究極のホームユーススピーカーとして開発したハイエンドスピーカーシステム。

KEFやInfinityを渡り歩いてきたスピーカーエンジニアであるアンドリュー・ジョーンズ氏を中心に、アメリカのR&D開発拠点とパイオニアTAD開発チーム、東北パイオニアからなるインターナショナルエンジニアチームが結成され、スピーカーユニットは日本のTAD開発チームが担当し、トータルコーディネート及びスピーカーシステムはアンドリュー・ジョーンズが担当となり開発が進められました。

低域には25cmコーン型ウーファーを2個搭載しており、中低域には20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
ウーファー、ミッドバスの磁気回路には新開発のOFGMS(Optimized Field Geometry Magnet Structure)磁気回路を採用しています。従来のショート・ボイスコイルタイプ磁気回路で僅かに残る磁気回路による非線形成分を解消するため、ボイスコイルの外側に位置するプレートにスリットを設ける事で磁気回路の中の磁束密度を均一にしています。

中高域と高域用として、16cmと3.5cmのCST同軸ユニットを搭載しています。
CST(Coherent Source Transducer)ドライバーではトゥイーターの指向性制御において、最適な形状に設計されたミッドレンジコーンをダイレクター部に配置した構造となっています。この構造により、従来ドライバーの位相および軸ずれのレスポンス問題を解消しています。また、トゥイーターとミッドレンジの位相を同一にすることで、広帯域にわたりCSTの中心から軸対称にどの方向へも同じサウンド・バランスで再生されます。
またダイアフラムには、プロ用TADにも使用されているベリリウムを採用しています。製造には蒸着法を用いることで、粒子の結合により金属では考えられないほどの高剛性と内部損失を実現し、ドライブユニットのダイアフラム共振を可聴再生帯域外へ追いやると共に再生精度を高めています。

エンクロージャーにはSILENTエンクロージャー(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology)が採用されています。50を超える個々に加工されたバーチ(樺)合板層から作られた構造を採用しており、キャビネット内の定在波が起きないようにパーツひとつ一つの形まで厳密に設計がされています。これにより、キャビネットの接合部を持たないため、ウーファーの反力や音圧による余分な振動も生じにくい構造となっています。
また、ISO(Isolation)Drive技術が導入されており、CSTを配置したスピーカー上部は、低音用エンクロージャーであるスピーカー下部と切り離されており、またCST自体も上部エンクロージャーから振動を遮断するように取り付けられています。これにより低音用スピーカーによって発する不要な振動やキャビネットの共振から完全に分離され、CSTドライバーの能力を引き出しています。

機種の定格
方式 4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁設計(EIAJ)
使用ユニット 低域用:25cmコーン型x2
中低域用:20cmコーン型
中高域/高域用:16cm同軸型(トゥイーター3.5cm)
公称インピーダンス
周波数帯域 25Hz~100kHz
周波数レスポンス 30Hz~20kHz ±3dB
パワーハンドリング 50W~300W(適合アンプ出力)
能率 90dB/2.83V/1m
最大音圧レベル 115dB
クロスオーバー周波数 100Hz、350Hz、2.2kHz
外形寸法 幅580x高さ1380x奥行568mm
重量 130kg