Pioneer S-955III
¥195,000(1台、1982年発売)
解説
S-955をベースにクオリティアップを図り、より高い次元での完成度を追求したスピーカーシステム。
低域には36cmコーン型ウーファーを搭載しています。
大振幅時のリニアリティに優れたS-955のロングボイスコイル設計に加え、支持機構に新開発ダイナミックレスポンスサスペンションを採用しており、振幅リニアリティの優れた二重綾織ダンパーが機械的なロスを徹底排除しています。また、通気性も向上させて音のヌケや解像度を高めています。
中域には6.5cmベリリウムドーム型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットには新たに磁気回路とボイスコイルをミクロンオーダーまで追い込む高精度化技術を採用しており、低歪化と高感度化を図っています。また、ボイスコイルボビンの素材に新しいガラス強化ポリイミド樹脂の積層板を採用することで、高耐熱、高弾性化を実現するとともに、耐入力50%以上も向上させています。
振動板には純ベリリウムダイアフラムを採用しています。これをパイオニアの伝統技術であるベリリウムカッパー線によるワイヤーサスペンションと、センタータンジェンシャルエッジによって二重に支持し、大振幅時にも安定した振幅特性が得られ、またエッジからの不要な音の輻射も排しています。
さらに、ドーム頂部をカットしたダイレクトラジエーター方式を採用しており、トゥイーター、ウーファーとの音のつながりを改善し、芯のあるダイナミックな中音域を実現しています。
高域にはPT-R7IIIと同等のベリリウムリボン型トゥイーターを搭載しています。
リボン振動板に軽量かつ高剛性のベリリウムを採用することで、ピストンモーション運動領域を拡大し、広域レスポンスを改善しています。
ネットワーク部は、エンジニアの耳による試聴結果を分析し、よりユニットの特性を引出せるよう設計されています。
全帯域にわたった高解像力を狙って、ウーファーの逆起電力の吸収とアースラインによるリークを防ぐ平衡型ネットワーク回路(PAT.P)を採用しています。
また、ウーファー用回路を別付けにし、さらに優れた解像度と音場感をもたらす新開発コンデンサーの採用、無酸素銅線LI(ローインダクタンス)コードJC-202、JC-201を内部配線に用いるなど、回路構成、素子、レイアウトを吟味して低損失化、低クロストーク化を徹底しています。
エンクロージャーには、高密度、高剛性、高損失のアピトン合板を採用しており、ロックマイタージョイントなどの加工技術を駆使して、音質の妨げになる共振や歪を大幅に抑えています。また、全ユニットへの最新技術と合わせ、ダクトのチューニングも十分に検討を重ね、低音再生を改善しています。
外装はマープルエボニー仕上げとなっています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:36cmコーン型 中域用:6.5cmドーム型 高域用:リボン型 |
再生周波数帯域 | 28Hz~120kHz |
出力音圧レベル | 92dB/W/m |
瞬間最大入力 | 220W |
定格入力 | 75W |
クロスオーバー周波数 | 950Hz、5.5kHz |
マルチアンプ使用時 推奨クロスオーバー |
低~中域:800Hz~1.5kHz 中~高域:5kHz~8kHz |
外形寸法 | 幅465x高さ720x奥行440mm |
重量 | 47kg |