Pioneer S-707
¥64,000(1台、1987年発売)
解説
S-3000の技術や思想を受け継いで開発されたスピーカーシステム。
スピーカーユニットの振動がバッフル板に伝わり、不要振動を発生するのを防ぐため、厚さ40mmの底板にアルミダイキャストのフレームでウーファーを強固に固定し、さらにミッドレンジは2層バッフル板のうち後部に固定し、トゥイーターは全部バッフル板に固定しています。
ちなみにバッフル板は厚さ25mmの高密度針葉樹パーチクルボード2枚を特殊接着剤で積層した50mm厚となっています。
高剛性のバッフル板と、接着剤を介在させることにより、バッフル板の不要共振を低減させています。
さらに、最も振動の影響をうけやすいバッフル板の共振を抑えるため、ダイナミックスタビライザーを採用しています。
これは鋼鉄製のパイプフレームでバッフル板と左右の側板をがっちり固定し、ボーカル再生を左右する帯域の振動レベルを大幅に低減しています。
側板・天板は厚さ25mm、裏板は30mm、底板は40mmという十分の厚さをもたせることで高剛性化させています。
低域には、振動板にニューインプルーブドカーボングラファイトを採用した、30cmコーン型ウーファーを採用しています。
これをφ140x20mm、磁束密度14000ガウスの大口径ストロンチウムフェライトマグネットの磁気回路で駆動しています。さらに、振幅による駆動力のリニアリティを向上させるためにLDMC(Linear Drive Magnetic Circuit)を採用しています。
中域には、12cmコーン型スコーカーを採用しています。
振動板にはニューインプルーブドカーボングラファイトコーンを採用し、さらにセンタードームにはセラミックカーボンを組合わせています。
磁気回路には、15000ガウスの磁束密度を実現したφ100x14mmの大口径ストロンチウムフェライトマグネットを採用しています。
高域には、2.5cmセラミックカーボントゥイーターを採用しています。
純度99.9%ののセラミックカーボンは、ベース材やバインダーをいっさい使用しておらず、優れた特性を実現しています。
磁気回路には、磁束密度19000ガウス、φ85x10mmストロンチウムフェライトマグネットを採用しています。
ネットワークは厚さ5mmのハードボードを使用し、エンクロージャーへの基板の取り付けは、防振材を介在させ、振動を遮断しています。
また、エンクロージャーはラウンドバッフルとすることで回折現象を抑えています。
別売りで、内部に砂や毛布などの吸音材を充填できるスピーカースタンドがありました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~40000Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
最大入力 | 200W(EIAJ) |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4000Hz |
外形寸法 | 幅394x高さ694x奥行365mm |
重量 | 35kg |
別売:スピーカーベース CP-707(2台1組、¥35,000) | |
外形寸法 | 幅415x高さ275x奥行350mm |
重量 | 12.5kg |