Pioneer CS-880
¥108,000(1台、1974年頃)
解説
ホーン型ユニットを搭載した3ウェイスピーカーシステム。
低域には38cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットにはバスレフ型に適応した新開発コーン紙を採用しており、さらにコーンに特殊な処理を施すことで優れた過渡特性を得ています。また、エッジには温度・湿度変化に対して安定した制動剤が塗布されており、2重スパイダー方式とあいまって、ハイコンプライアンスを得るとともにリニアリティ向上を実現しています。
ボイスコイルにはアルミボビンの銅リボン線をエッジワイズ巻きしたロングタイプを採用しています。また、磁気回路には160mmφのフェライトマグネットを採用しており、さらに純銅キャップを装着することでセンターポールから発生する非直線歪や磁気歪を抑えています。
中低域には20cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットはコーン紙の表面に特殊な処理が施されています。また、純銅キャップ装着のセンターポールや120mmφフェライトマグネット、アルミボビンに巻かれたロングボイスコイルなどを採用しており、低域用としても十分に使える構造となっています。
また、ユニットの後部には4800cm3の完全密閉式バックチャンバーが設けられており、吸音効果を得ると共にウーファーとの音の干渉を排除しています。
中高域には単体販売されていたPD-50とPH-50を組み合わせたホーン型ユニットを搭載しています。
PD-50は20μの超硬質チタン箔ダイアフラムを採用しており、リニアリティの高いポリエステル系フィルムのコルゲーションエッジを張り合わせたフリーエッジ方式を採用しています。また、ギャップの利用効率の良いエッジワイズボイスコイルや100mmφのフェライトマグネットの採用によって高能率化を量ってます。さらに、振動板のエッジ表面の反射を高密度の吸音フェルトを用いて吸収しており、周波数特性の平坦化と音質向上を実現しています。
ホーンユニットPH-50はカットオフ周波数500Hzのセクトラルホーンで、十分な肉厚を持ったアルミホーンとすることで共振を抑えています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、中央部に吸音材による仕切りを設けることでウーファーのハイカットフィルターとして動作させるとともに定在波の発生を抑制しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:38cmコーン型 中低域用:20cmコーン型 中高域用:ホーン型(PD-50+PH-50) |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~21kHz |
出力音圧レベル | 94dB/W/m |
最大入力 | 100W |
クロスオーバー周波数 | 450Hz、1.4kHz |
外形寸法 | 幅515x高さ875x奥行400mm |
重量 | 44.5kg |