解説　

3ウェイ構成のスピーカーシステム。

ウーファーには25cm口径のコーン型ユニットを採用しています。
磁気回路には120φmmのフェライトマグネットを使用し、新設計のコーン紙には、広帯域に対しスムーズなレスポンスが得られるよう、パルプの材質や製法に数々のノウハウが生かされ、軽量で剛性に富み、かつ適度な内部損失を得ています。
また、ボイスコイルボビンには、ひずみを低減するため、マスバランサーを採用してます。また、磁気回路のポールピースに純銅キャップを装着して歪の低減をはかっています。フレームにはアルミダイキャストを使用しています。

ミッドレンジには65mmの大口径ドーム型ユニットを採用しています。
振動板には、高い強度と適度な内部損失をもたせるため、特殊制動剤を塗布したカーボンファイバー混入コーン紙を使用しています。
そして大振幅時でも中心保持性に優れているタンジェンシャルエッジの採用に加え、ウーファーと同寸法の大型マグネットを採用しているため、高感度なばかりか磁気制動も十分にかかっています。
フレームはウーファー同様アルミダイキャスト製になっています。
また、ドーム型の場合にイコライザーの影響で生じやすい音のカラーリングを排除するため、イコライザーを使用しなダイレクトラジエーター型を採用。タンジェンシャルエッジ部をフランジでカバーして、イコライジング効果をもたせるエッジイコライジングによって、振動板前面のイコライザーなしでもフラットなレスポンスを得ています。
ドーム内の背圧に対しては、ユニット後部にバックチャンバーを装着し、内部には特殊吸音材を充填することで対処しています。

トゥイーターには軽量で硬質なチタニウム材を厚さ0.025mm、口径25mmφのドーム状に仕上げ、振動板として使用しています。
この振動板の物性を発揮するために、タンジェンシャルエッジを採用し、銅クラッドアルミ線の使用によるボイスコイルの軽量化などによりピストン領域を拡大し高域再生限界を広げています。
そして、このトゥイーターにもミッドレンジ同様イコライザーを排した、ダイレクトラジエーターを採用。エッジ部をアルミダイキャスト製のフランジでカバーしたエッジイコライジングによりフラットなレスポンスを得ています。

エンクロージャーの材質には針葉樹パーチクルボードを使用し、細部にわたって共振モードを測定しながら、最も効果的な補強を施し有害な共振をおさえました。
また内部には吸音材を有効に配し、内容積を生かしながら定在波を防止しています。

ネットワークには高透磁率のフェライトコアーチョークや磁気ひずみの少ない空芯コイルを用いて用途に応じて使い分け、コンデンサーには損失の少ないMF型を採用しています。

機種の定格

方式	3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット	低域用:25cmコーン型 中域用:6.5cmドーム型 高域用:2.5cmドーム型
インピーダンス	6.3Ω
再生周波数帯域	35Hz～30000Hz
出力音圧レベル	92dB/W/m
最大入力	60W
クロスオーバー周波数	850Hz、4500Hz
外形寸法	幅350x高さ610x奥行315mm
重量	19.5kg