Pioneer XL-A800
¥79,800(1979年頃)
解説
オートサイズセレクター付きフルオート機構を搭載したレコードプレイヤー。
レコードサイズを自動的に検知するオートサイズセレクターを搭載しています。
XL-A800では光学式を採用しており、ターンテーブルに3ヶ所の検知孔を設け、その下部にフォトトランジスタを配置し、照射された光でレコードの有無やサイズを判別しています。これによりレコード盤がのっていない場合に誤ってスタートボタンを押してもアームはリードインされず、針を傷つける心配がありません。
さらに、光学式のクイックリピート機構を採用しており、スムーズで素早い繰り返し演奏が行えます。
オートリターン検出機構は、レコード1回転での音溝の移動量をcdsを用いて検出比較する光学式となってます。
さらに、アーム動作は専用のDCモーターで駆動しています。
マニュアル操作が優先的に行える設計となっており、指先でアームをレコード盤上に移動すればターンテーブルが回転を始めるクイックスタート、アームレストに戻すと停止するクイックストップ機構を採用しています。
駆動モーターには新開発のクォーツPLLホールモーターを採用しています。
XL-A800の速度検出機構は、ローターマグネット下面に等間隔で200極着磁し、これと対向して取り付けられたプリントパターンコイルによっ交流信号を発生させ、これを全周で積分する精度の高い方式となってます。
また、モーターの磁極切換にホール素子を用いたブラシレスDCサーボ・ホールモーターを採用しており、回転ムラを抑えています。
トーンアームにはメインウェイトを回転軸に近づけた質量集中方式を採用しており、アームの慣性モーメントを軽減して、高いトラッカビリティを発揮しています。さらにジンバルサポート方式の軸受けを装備しています。
マグネシウムダイキャスト製のヘッドシェルを採用しています。
カートリッジにはベリリウム蒸着カンチレバーを用いたMM型カートリッジを採用しています。
キャビネットにはコアキシャルサスペンション(同軸懸架方式)を用いたアルミダイキャストキャビネットを採用しており、耐ハウリング特性を高めています。
ブチルゴム製ターンテーブルシートを装備しています。
前面操作方式を採用しており、アクリルカバーを閉じたままアーム操作(オートリードイン、オートカット、オートリピート)が行えます。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<フォノモーター部> | |
モーター | クォーツPLLブラシレスホールモーター |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 33.6cmアルミダイキャスト |
慣性質量 | 330kg-cm2 |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転数微調整範囲 | ±6% |
回転ムラ | 0.025%以下(WRMS) |
S/N | 75dB以上(DIN-B) 63dB以上(JIS) |
負荷変動 | 0%(針圧200g以内) |
起動特性 | 1/3回転以内 |
回転数偏差 | 0.002%以下 |
ドリフト | 時間ドリフト:0.00008%/h 温度ドリフト:0.00003%/℃ |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム |
実効長 | 237mm |
オーバーハング | 15mm |
適合カートリッジ自重 | 4g~9g |
高さ調整範囲 | ±3mm |
ヘッドシェル | マグネシウム合金ダイキャスト |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型 |
針先 | 0.3x0.7mil楕円ダイヤモンド針 |
交換針 | PN-600 |
出力電圧 | 2.5mV(1kHz、50mm/sec.水平) |
負荷抵抗 | 30kΩ~100kΩ |
適正負荷抵抗・負荷容量 | 47kΩ+170pF |
適正針圧 | 1.5g ±0.3g |
周波数特性 | 10Hz~40kHz |
<その他> | |
オート機能 | オートサイズセレクター付きフルオート |
付属機構 | クイックプレイ クイックストップ クイックリピート 針圧直読ウェイト アーム高さ調整機構 オートリードイン オートリターン オートカット アームエレベーション(専用DCモーター使用) アンチスケーティング フリーストップヒンジ |
使用半導体等 | 水晶x1 ICx8 cdsx1 ホール素子x3 LEDx9 トランジスタx16 フォトトランジスタx5 ダイオードx15 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅460x高さ156x奥行402mm |
重量 | 11.5kg |