解説　

クォーツPLL DCサーボモーターを用いたレコードプレイヤー。

駆動モーターには水晶発振器の高い精度を応用したクォーツPLLブラシレスDCサーボ・ホールモーターを採用しています。
さらに、モーターの速度検出機構には全周積分方式を採用しており、ローターマグネット下面の全周にわたって等間隔で200極着磁し、対向に取り付けられたプリントパターンコイルによって交流信号を発生させ、これを全周で積分することで高い信頼性を獲得しています。
また、モーターの磁極切換(スイッチング回路)に、パイオニア独自のホール素子を用いることで安定性を高めています。

キャビネットには、質量が大きく適度な内部損失を持つ20mm厚のソリッドボードを2重に積層したキャビネットとアルミダイキャスト製の大型アームベースを組み合わせた構造を採用しています。この構造は防振理論を応用したもので、共振成分の異なる素材を組み合わせることで両方の共振を相殺してしまうことで耐ハウリング特性を向上してます。
さらに、スプリングとゴムを組み合わせた2重のダンプ機構を採用した大型インシュレーターを装備し、床からの振動を低減しています。

トーンアームにはメインウェイトを回転軸に近づけた質量集中タイプS字型パイプアームを採用しています。これによりアームの慣性モーメントが軽減され、レコードのソリや偏心に強い構造を実現しています。
さらに、このアームはウェイト軸及びラテラルバーに防振対策を施した設計となっています。

ヘッドシェルには剛性が高く質量の小さいガラス繊維入り強化樹脂を採用しています。

レコード演奏が終ると自動的にアームがレストに戻るオートリターン機構を搭載しています。
この機構ではアームがリターンすると同時に電源がOFFとなります。

クイックプレイ機構を搭載しており、アームをレコード盤上に移動させるだけでターンテーブルが自動的に回転をはじめます。

MM型カートリッジを標準装備しています。

機種の定格

型式	レコードプレイヤー
<フォノモーター部>
モーター	クォーツPLLブラシレスホールモーター
駆動方式	ダイレクトドライブ
ターンテーブル	32cmアルミダイキャスト
慣性質量	280kg-cm2
回転数	33・1/3、45rpm
回転ムラ	0.025%以下(WRMS)
S/N	73dB以上(DIN-B) 60dB以上(JIS)
負荷変動	0%(針圧150g以内)
起動特性	1/3回転以内
回転数偏差	0.002%以下
ドリフト	時間ドリフト:0.00008%/h 温度ドリフト:0.00003%/℃
<トーンアーム部>
型式	スタティックバランスS字型パイプアーム
実効長	221mm
オーバーハング	15.5mm
適合カートリッジ自重	4g～10g
ヘッドシェル	ガラス繊維入り強化樹脂
<カートリッジ部>
型式	MM型
針先	0.5milダイヤモンド針
交換針	PN-150
出力電圧	3.5mV(1kHz、50mm/sec.水平)
負荷抵抗	30kΩ～100kΩ
適正負荷抵抗・負荷容量	47kΩ+170pF
適正針圧	2.2g +0.3 -0.5g
周波数特性	15Hz～30kHz
<その他>
オート機能	オートリターン(マニュアル、クイックプレイ可)
付属機構	クイックプレイ 針圧直読ウェイト アンチスケーティング ストロボ照明ランプ アームエレベーション フリーストップヒンジ
使用半導体等	水晶x1 ICx3 ホール素子x3 トランジスタx3 ダイオードx3
電源電圧	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	3W
外形寸法	幅440x高さ145x奥行365mm
重量	10kg