Pioneer T-8800
¥139,800(1973年頃)
解説
2モーター6ヘッド機能を採用した最高級テープデッキ。
定電圧電源と厳選されたトランジスタを採用しており、モーターの配置やヘッドシールドには細心の注意がはらわれ、安定したバイアス発振などから優れた音質を実現しています。
キャプスタンのドライブ用にヒステリシスシンクロナスモーターを、さらにテープ巻取りには専用のインダクションモーターを使用した2モーターメカニズムとなっています。
これにより、回転ムラを追放し、常時適正なテープテンションでテープ送りを行います。
センシングテープによって自動的に、または、ワンタッチプッシュボタンを使用することでリバースが可能です。
また、オートリバースの解除をはじめ4アクションに選べるサイクルセレクターも付属しています。
2モーター方式の採用により、過度な早送りを避け、さらにバックテンションも必要以上に大きくしないなど、テープ保護を重視しています。
また、消去と録音をひとつにまとめたアメリカノートロニクス社製のコンビネーションヘッドを採用しており、テープ走行経路(テープパス)が短くなることで、テープを傷める心配を低減しています。
ピンチローラーはStopで本体内に沈み、Playで起き上る独自のイージーローディング機構となっています。
テープをかける際に障害物がないため、簡単で確実な操作ができます。
スタンダードテープとL.H.テープの特性に合わせ、最適なバイアス値が選べるテープセレクターを搭載しています。
2系統のライン入力を搭載しています。
また、ライン2の入力は、フロントパネルにも設けられており、プラグを差し込むと裏側の回路は自動的に切断されます。
ライン入力とマイク入力はミキシングすることが出来ます。
ライン出力は固定と可変レベルに切り換えが可能です。
また、ヘッドホンボリュームも自由に調節可能です。
3ヘッド方式により、スイッチの切り換えにより、録音したばかりの音とソースの音を聞き比べる同時モニターが可能です。
L再生をR録音へ、R再生をL録音へ、音に音を重ねられるサウンド・オン・サウンドが可能です。
トラック表示装置を搭載しており、今どのトラックがどの方向に走行しているか一目でわかります。
操作機構にはマイクロスイッチを使用しており、操作はすべてフェザータッチのボタンで可能です。
ポーズレバーはレバー式ではね返りとロック(停止)ができる二段式となっています。
ヘッドカバーは自由に開閉できるため、ヘッドのクリーニングや消磁などの保守が行いやすくなっています。
シャットオフスイッチを搭載しており、一方のリールへテープが巻き取られるとピンチローラーは自動的に外れます。これにより、キャプスタンに圧着したままになって変形してしまう事故を防止しています。
テープがリールにあたらないように、リールの高さを自由に調整できます。
また、リールをかけてシャフトの一部をひねるだけで固定できるリールクランパー付です。
水平使用時にも斜めに起こせるメーターを搭載しています。
別売りのリモコンユニット(PP-210)を使用することで、離れて操作も可能です。
機種の定格
型式 | オートリバース録音/再生6ヘッド機能ステレオテープデッキ | ||||
動作方式 | センターキャプスタンドライブ機構 センシングテープによる自動逆転往復録音・再生 プッシュボタンによる往復録音・再生 |
||||
ヘッド | 4トラック、2チャンネル消去・録音コンビネーションヘッドx2 4トラック、2チャンネル再生ヘッドx2 |
||||
モーター | 2モーター方式 8極/4極ヒステリシスシンクロナスモーターx1 4極インダクションモーターx1 |
||||
テープ速度 | 19cm/s、9.5cm/s | ||||
回転ムラ | 0.08%以下(19cm/s) 0.15%W以下(19cm/s) |
||||
S/N | 55dB以上 | ||||
周波数特性 |
|
||||
入力 | マイク入力:0.5mV/50kΩ ライン入力:55mV/10kΩ |
||||
出力 | ライン出力(固定):0.775V/50kΩ ライン出力(可変):1V以上 録再コネクター:DIN規格 ヘッドホン出力:0.4mW/8Ω |
||||
付属機構 | マイクミキシング サウンドオンサウンド 録音バイアス切換 ポーズレバー |
||||
電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 100W | ||||
外形寸法 | 幅556x高さ418x奥行242mm(プラスチックカバー含む) | ||||
重量 | 22.5kg | ||||
別売 | リモコンユニット PP-210(¥10,000) メタルリール PR-80(¥1,200) |