Pioneer RT-1050
¥150,000(1973年頃)
¥169,000(1976年頃)
解説
プラグイン式ヘッドユニット交換システムや多段テープセレクターを搭載した2トラック・ステレオテープデッキ。
ヘッド部には、テープパスが短く、テープ振動の少ない3ヘッド方式を採用しています。
再生ヘッドには大型コアによるインライン特性に優れた、テープタッチの良いハイパーボリック型パーマロイヘッドを採用しており、位相特性、周波数特性、S/N、クロストーク等の諸特性を改善しています。また、録音ヘッドにもハイパーボリック型を採用しており、感度、バイアス特性、磁化特性などに優れたバランスを発揮しています。
ヘッドユニットはプラグイン式で交換できる設計となっており、別売の4トラックヘッドユニットとネジ3本で簡単に取り替えることができます。
38cm/secのプロスピードのイコライザーにNAB規格とIEC(BTS)規格の切換え方式を採用しています。
一般使用のNAB(50μs)よりも放送局等で使われているIECBTS(35μs)の方が録音時の高域補償量が多く、再生時の補償量が少ないため、高域で約3dBもSN比が改善され、さらにノイズ分布の移動によってダイナミックレンジのより広い優れたソースが楽しめます。
また、テープセレクターはバイアス3段(STD、+10%、+20%)、イコライザー4段(NAB/EC切換)となっており、様々な特性のテープに対応できます。
駆動メカニズム部には、2スピード・ヒステリシスシンクロナスモーターと直径100mmの大型フライホイール、6極インナーローター特殊インダクション型のリール専用モーターを採用しており、安定したテープ走行を実現しています。
平面精度の高い5mm厚のアルミシャーシとダイキャストフレームの組合せにより振動を抑えています。
LEDを用いたピークインジケーターを搭載しており、録音ソースのピークレベルが+6dBの時に素早く反応し、ランプ表示します。
また、+3dBと+6dBの2段階切換式を採用したダブルスケール大型レベルメーターを搭載しており、高いレベルでの録音監視が行えます。
操作ボタンは全てソフトタッチのソレノイドコントロールを採用しています。
また、タイミングコントロール回路を用いたダイレクトチェンジ式を採用しており、REW(FF)状態からSTOPボタンを経ずにPLAYに切換えられます。さらに、ポーズスイッチを必要に応じてON/OFFさせることによって、このPLAYタイミングコントロール回路はタイミング時間をゼロにし、テープをすぐPLAYスタートさせることができます。
これらのボタンはメカニカルロック式なので、電源がOFF状態でもプリセットが可能で、別売タイマーを組み合わせることで留守録音や目覚まし再生などができます。
マイク専用アンプはシリコントランジスタ2段のアンプを採用しています。
バイアスの安定を保つ自動バイアス電流安定回路を搭載しています。
FETとダイオードを用いた電子スイッチ式イコライザー切換回路を採用しており、クリックノイズを追放しています。
テープのかけやすいロック式テンションアームを採用しています。
マイクとラインのミキシングが可能です。
テープモニタースイッチ及び録音モードスイッチは左右独立のレバースイッチ式を採用しています。
ポーズレバーはロックが可能なレバー式を採用しています。
フロントカバー付きのレザー仕上げのキャリングケースが付属しています。
機種の定格
型式 | ステレオテープデッキ |
動作方式 | 3モーター |
ヘッド | 2トラック、2チャンネル録再ヘッドx1 2トラック、2チャンネル再生ヘッドx1 2トラック、2チャンネル消去ヘッドx1 |
モーター | キャプスタン用:4極-8極、2速度ヒステリシス・シンクロナス型モーター リール用:6極インナーローター特殊インダクション型モーター |
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s |
早巻き速度 | 110秒(10号リール、740m) 90秒(7号リール、370m) |
回転ムラ | 38cm/s:0.04%WRMS(0.06%RMS) 19cm/s:0.08%WRMS(0.10%RMS) |
S/N | 57dB以上 |
歪率 | 1%以下 |
周波数特性 | 38cm/s:30Hz~22kHz ±3dB 19cm/s:40Hz~20kHz ±3dB |
チャンネルセパレーション | 53dB以上(1kHz) |
消去率 | 60dB以上 |
バイアス周波数 | 125kHz |
入力端子 | Mic:0.25mV~80mV/20kΩ(基準1mV)、標準ジャック 適合インピーダンス:600Ω~50kΩ Line:50mV~25V/100kΩ(基準316mV)、ピンジャック DIN:15mV~1.5V/1.5kΩ(基準31.6mV) |
出力端子 | Line:316mV/50kΩ、負荷インピーダンス50kΩ以上、ピンジャック DIN:316mV/50kΩ、負荷インピーダンス50kΩ以上 Headphone:40mV/8Ω、負荷インピーダンス4Ω~16Ω |
付属機構 | 3ポジションバイアスセレクター 4ポジション(NAB:2、IEC:2)イコライザーセレクター プラグイン式ヘッドユニット方式 インジケーター切換スイッチ(PEAK表示-録音表示) メータースケール切換スイッチ(+3dB、+6dB) ロック式テンションアーム ロック式ポーズ(一時停止)レバー(PLAYタイミング解除レバー兼用) LINE INPUT 2系統使用可能 左右独立録音モードスイッチ 左右独立テープモニタースイッチ フロントカバーと取っ手付き |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 115W |
外形寸法 | 幅460x高さ453x奥行244mm |
重量 | 22.5kg |
付属 | 10号金属空リール(PR-100)x1 10号リールアダプター(PP-220)x2(リール台高さ補正シート付) 接続コード スプライシングテープ クリーニングキット クリーニングリボン 電源コード 専用キャリングケース |
別売 | 4トラックヘッドユニット PP-204T(¥10,000(1973年頃)、¥15,000(1976年頃) |