Pioneer PD-T04
¥60,000(1993年発売)
解説
レガート・リンク・コンバージョンを搭載したターンテーブル方式CDプレイヤー。
より自然な音楽再生を目指して開発されたレガート・リンク・コンバージョン・システムを搭載しています。
この回路では、ディスクに記録されている音楽信号データの間を、自然界の音や楽器の周波数成分を再現するのに適した滑らかな関数曲線で結んでおり、リンギング(波形の乱れ)の少ないオリジナルの音声信号の再生を可能にしています。
CDに記録されている信号を元に、記録される前の録音時の音楽信号を推定することにより、1/f減衰特性にしたがって20kHz以上の音の再現も可能となり、自然な音を実現しています。
メカニズム部にはターンテーブル方式を採用しています。
これは、ディスクの下にあったピックアップとスピンドルモーターを上に設置して、直径12cmのターンテーブル上で回転するディスクから信号を読み取る方式で、ディスクを下から全面で支えるターンテーブルの大きな慣性モーメントと、ゆとりのある起動トルクを持つスピンドルモーターなどの採用により、負荷変動にも強い安定した回転性能を実現しています。
D/Aコンバーターにはパイオニアが独自に開発したハイスピード・パルスフロー1bitD/Aコンバーターを左右独立で搭載しています。
1bit方式はゼロクロス歪やグリッチノイズが原理的に発生しないという特長を持ち、しかもノイズシェイピングを384fsときわめて高いオーバーサンプリング周波数で動作させることで、なめらかな出力が可能となり、再量子化によるノイズフロアを大きく低減しています。このため低次の2次ノイズシェイパーを使用できるため、帯域外のノイズの影響を低く抑えています。
さらにマスタークロックを16.93MHzという低いクロック周波数で動作させることにより、ジッター発生による影響も減少させています。
ダイレクトコンストラクションを採用しており、センタートレイデザインを採用し、シャーシ中央にピックアップメカニズムを配置しています。さらに主要回路を信号の流れにそってレイアウトし、ピックアップから出力端子までを最短距離になるように結んでいます。
これにより外来ノイズの影響を低減しています。
電源部には、デジタル/サーボ回路用とアナログ回路用にそれぞれ独立させたツインパワートランスを搭載しています。
また電源回路は3パート7レギュレーターを採用しており、サーボ/デジタル、D/Aコンバーター、オーディオの3パートを独立整流し、相互干渉を排除したことにより、安定した電源供給を実現しています。
シャーシには剛性に優れたハニカムシャーシを採用しており、高い制振効果を発揮しています。さらに外部からの音の反射を抑えるため、インシュレーターもハニカム構造を採用しています。
再度には樹脂スタビライザーを装着し、シャーシの防振性を高めています。
コンピュプログラムエディットやタイムフェードエディット、オートプログラムエディットなどの機能を搭載しています。
ピークサーチやメモリーホールド、ディスプレイoffスイッチ、デジタル/アナログ切換えスイッチを搭載しています。
CD-DECKシンクロ端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 3ビーム半導体レーザー方式 |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比(EIAJ) | 115dB以上 |
ダイナミックレンジ(EIAJ) | 99dB以上 |
チャンネルセパレーション(EIAJ) | 110dB以上 |
ワウ・フラッター(EIAJ) | 測定限界(±0.001%W.PEAK)以下 |
高調波歪率(EIAJ) | 0.0017%以下 |
出力電圧 | 2.0Vrms |
チャンネル数 | 2チャンネル(ステレオ) |
デジタル出力 | 光出力:-15dBm~-20dBm(波長660nm) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅440x高さ131x奥行286mm |
重量 | 5.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |