Pioneer PD-8030
¥89,800(1986年発売)
解説
無共振思想を徹底し、さらに銅メッキシャーシを採用したCDプレイヤー。
シャーシ全体を銅メッキすることにより、磁気歪を低減しています。
さらに、異なる金属同士の貼り合わせ状態となることで、単一金属だけを使用した場合に比べ振動減衰量が大きくなっています。
オーディオ回路にはデジタルフィルターを採用しています。
標本化周波数44.1kHzでサンプリングされたデジタル信号を見かけ上、2倍の88.2kHzにひきあげ、44.1kHz付近の不要な信号を除去しようというもので、これにより急峻な特性をもつローパスフィルターを使う必要が無くなるため、20kHzの高域に至るまで位相まわりの少ない、低歪率のオーディオ特性を得ています。
ディスクの不要な振動を押さえ、正確な信号読取りを得るため、従来のディスクスタビライザーに改良を加え、振動減衰特性の良い特殊樹脂を採用しています。
ピックアップには、自社開発したピックアップを採用しています。
非球面対物レンズおよび複合型レンズの採用によって、レーザーパワーの伝達ロスを低減し、レーザーダイオードの発熱を抑えています。
さらに、リニアサーボシステムを採用しており、ピックアップの基本特性をさらに改善し、アクチュエータ部分の不要な共振やクロストークを排除し、適切なサーボ特性とゲインコントロールで音飛びを防止しています。
複数個のLSIで処理されるデジタル信号処理を、一つのマスタークロックによって同期処理する方式を採用しています。
これにより高精度に処理されることで、デジタル信号にジッター成分が含まれたり、各信号間でビートを発生させるのを防ぎ、サーボ回路やオーディオ回路への悪影響を押さえています。
より高純度な伝送を追及するため、ピュアトランスミッションシステムを採用しています。
デジタル部ではディスクスタビライザーによるディスクの不要振動を低減し、外来ノイズによるデジタル信号への悪影響を排除しています。
またオーディオ部では、基板上のオーディオ回路間近にローノイズ低出力インピーダンスレギュレーターを配置し、各ブロック回路へは、インピーダンスの上昇を抑えて供給しています。
さらに、L、R共通のICの使用を排除し、L.R対称のストレートパターンとしています。
外部からの振動を遮断するため、インシュレーターにはファインセラミック製のものを採用しています。
また、振動を嫌い光学系の部分は機器内のメカ部分のみをフローティングさせ、外部振動をシャットアウトするオーディオインシュレーションを装備しています。
小容量のコンデンサには銅箔スチロールコンデンサーを、信号系の配線材やプラグコードには無酸素銅(OFC)線を採用しています。
また、カーボン抵抗のリード線引き出し部に、黄銅キャップカーボンを採用し、徹底して歪の発生を抑えています。
使用するテープの長さの範囲内で、自動的に何曲録音できるかを計算してプログラムしてくれるオートプログラムエディット機能を搭載しています。
ディスクの最初の曲からだけでなく、指定した曲以降からでも行う事が出来ます。
プログラムされた曲の総演奏時間を精算して表示することが可能です。
プログラム再生の曲間で一時停止をさせたい場合に便利なポーズプログラム機能を搭載しています。
CDをトレイに入れておけば、電源ON時に自動スタートします。
好きな曲を24曲までプログラム再生可能です。
ボリューム付ヘッドホン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 3ビーム半導体レーザー方式 |
DA変換 | 16ビット直線 |
周波数特性 | 4Hz~20kHz、±0.3dB |
SN比(EIAJ) | 100dB以上 |
ダイナミックレンジ(EIAJ) | 96dB以上 |
チャンネルセパレーション(EIAJ) | 94dB以上 |
ワウ・フラッター(EIAJ) | 測定限界(±0.001%W.Peak)以下 |
全高調波歪率(EIAJ) | 0.003%以下 |
出力電圧(EIAJ) | 2V±0.5V |
チャンネル数 | 2チャンネル(ステレオ) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 12W |
外形寸法 | 幅457x高さ94x奥行310mm |
重量 | 5.8kg |
付属 | リモコン CU-PD004 |