オーディオの足跡

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PD-3000の画像
 解説 

「音楽の表現力」というテーマに向かい、リアル・トランスミッション・デザインという技術コンセプトのもとに開発されたリファレンスモデルのCDプレイヤー。

18ビット4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを搭載しており、サンプリング周波数を演算処理して4倍にオーバーサンプリングすることで、不要な高次ノイズを高域に移し、ゆるやかな特性を持つ低次のディスクリート構成アナログローパスフィルターで除去しています。
これにより優れた位相特性と低歪率のオーディオ特性を得ています。

D/A変換部にはリアル18ビットツインD/Aコンバーターを搭載しており、量子化レベルを16ビットから18ビットへと拡大することで、量子化雑音を1/4に減らす事に成功しています。

レーザービジョンプレイヤーLD-S1で搭載したピックアップ技術であるアキュフォーカスシステムを搭載しています。
フォトディテクタはフォーカスサーボのために4分割されていますが、それにあたるレーザー光は、ピットの進行方向に沿ってフォトディテクタを横切るように動きます。このため先行信号と後行信号との間に時間的なズレが発生し、高域に位相差が生じます。
アキュフォーカスシステムでは、先行の信号を遅延させ、後行の信号と位相を合わせることで、読取りエラーの少ないRF信号を得ています。

ピックアップ部には新開発のピックアップを搭載してます。
従来のようにコリメータレンズを必要とせず、高倍率(7.5倍)の有限対物レンズを採用することで、光路長に余裕ができ安定した光路を実現しています。さらにハーフミラーも出来る限り厚みを増し、入射角度も大きく設計することで、外力に対する歪を最小に抑えるとともに、光路に発生する有害収差を低減し光信号のクオリティを高めています。
また、フォトディテクタにも最新のIC技術を投入し、バッファアンプも同一IC内に集積化することで、外乱に対して安定した信号系を実現しています。さらに、大型コンピューターを用いた解析技術を駆使し、ピックアップボディを樹脂で成型し、信頼性の低下につながる接着剤の使用を減少させています。

電源部には、サーボ/デジタル系電源とオーディオ系電源をトランスそのものから完全分離したツインパワートランスを採用しています。また、電源プラグ根元から芯線を分離させたOFC極太4芯電源コードにより、サーボ回路やデジタル回路からオーディオ回路への微妙な影響(回り込み)を抑えてます。さらにオーディオトランスはOFCバイファイラ巻きと振動を抑える珪砂入樹脂含浸を採用しています。
オーディオ回路用に、定電流ダイオード等の高精度部品を採用したディスクリートプッシュプル構成の電源回路を採用しており、供給電源の安定化を計ることにより電源電圧の変動を抑えています。さらに、負荷端の電圧の変化を検知してフィードバックし電圧を制御するリモートセンシング方式を採用することで、電源回路から負荷端までのパターンインピーダンスの影響を大幅に低減しています。

オーディオ回路には、140x300mmの大型基板を採用しており、この基板上に左右独立、対称にパーツを適切なパターンレイアウトで配置しています。
また、シールド効果を高めるために両面基板を採用するなど、サーボ系回路と完全分離の構成にし、相互干渉を排除しています。

アナログ回路には、AクラスFETバッファアンプを採用しており、電源の負荷変動及び各回路の相互干渉、前段、後段のアンプの負荷に影響されない安定した波形伝送を実現しています。

従来のデジタル信号回路は、デコーダー、D/Aコンバーター、システムコントロールマイコンに別々のクロック回路を持っていましたが、PD-3000ではD/Aコンバーター、デジタルフィルター、デコーダー、システムコントロールマイコンをクロックで同期させており、これによって複数のクロックの干渉によるビートの発生を防いでいます。

ピックアップを不要振動から守るため、無共振化ラミサートメカベースを採用してます。
ピックアップを支えるメカベースを2重構造とし、ピックアップ側のベースに銅メッキを施して、さらにこれを特殊樹脂でモールディングすることにより、振動減衰特性が大幅に向上し、同時に磁気歪の影響も排除しています。

電源トランスから発生する断続的な不要振動や、フラックスの影響を極力排除するために、プレイヤー外部にアイソレーテッドトランスベースを設定しています。
極厚アルミアングルと真鍮無垢のインシュレーターを採用し、トランスブロックをフローティング構造にしています。

シャーシには、剛性を大幅に高めるハニカム形状を採用sいており、1.2mm厚の鉄板を使用することで優れた振動減衰特性を得ています。また、シャーシ全体に銅メッキを施し、銅メッキ処理で2つの金属を貼りあわせたのと同じ効果を得ており、不要な振動と磁気歪を大幅に低減しています。

パイオニアの振動解析技術を駆使し、ディスクスタビライザーを開発し、ディスクの共振を抑える事で音質向上を図っています。特に、PD-3000ではディスク装着の精度を一層高めるバーチカルクランプ構造を採用しており、さらにディスクスタビライザーとそれを支えるクランパーに機械的接触のないマグネットキャッチ方式を採用することでディスクの不要振動を徹底的に抑えています。

光学系メカニズムを外部振動から守るため、シャーシからフローティングさせ、減衰特性のすぐれた特殊ゴムとスプリングによる低重心コアキシャルサスペンションを採用し、高剛性で内部損失の大きいセラミックの支柱で固定しています。

インシュレーターには振動減衰特性率の高い大型インシュレーターを採用しており、剛性を高めるために樹脂成型されたハニカム形状としています。

アナログ出力端子には、左右独立の金メッキピンジャックを採用しています。接触抵抗を最小限に抑え、経年変化にも強い金メッキ端子の効果だけでなく、機械的にも高強度の構造となっています。
また、抵抗やコンデンサーなどのパーツにもオーディオ用としてハイグレードなものを採用しており、試聴を繰返して採用しています。

ピックアップの駆動には応答速度に優れたリニアモーター方式を採用してます。
また、スピンドルモーターに従来の3倍の起動トルクをもつ高トルクブラシレスD.D.モーターを搭載しています。

トレイ部は比重の大きい特殊樹脂を使用し、重量と精度向上を図ってます。同時に摺動部には金属軸受メタルを採用し、ワイヤードライブ方式と相まって滑らかで静かなローディング動作を実現しています。

前回のパワーoff時のプログラムを記憶しているメモリーバックアップ機能や、テープ時間に合わせて自動的にフェードアウトするタイムフェードエディット、指定したフレーズをフェードイン・アウトで自動演奏するミュージックウインドウ、ワンタッチフェード機能、バリアブルフェードタイム、オートスペースなどの機能を搭載しています。

使用していない回路の動作を止める切換スイッチを搭載しており、不使用回路のノイズ発生源を絶つことができます。またヘッドホン回路はジャックに差すと初めて回路が作動する方式とし、さらにFL表示点灯時のスキャニングノイズにも配慮するためFL消灯スイッチも搭載しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
ピックアップ 3ビーム半導体レーザー方式
D/A変換フォーマット 16bit直線
デジタル演算出力 18bit
D/A変換 18bit
周波数特性(EIAJ) 2Hz~20kHz ±0.3dB
SN比(EIAJ) 115dB以上
ダイナミックレンジ(EIAJ) 100dB以上
チャンネルセパレーション(EIAJ) 109dB以上
ワウ・フラッター(EIAJ) 測定限界(±0.001%W.PEAK)以下
全高調波歪率(EIAJ) 0.0014%以下
出力電圧(EIAJ) 2V ±0.5V
チャンネル数 2チャンネル(ステレオ)
デジタル出力 同軸出力:0.5Vp-p/75Ω
光出力:-15dBm~-20dBm(波長660nm)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 26W
外形寸法 幅458x高さ129x奥行435mm
重量 12.5kg
付属 リモコン