Exclusive P10
¥300,000(1979年頃)
¥350,000(1981年頃)
解説
Exclusive P3と同時期に発表された高級ステレオプレイヤーシステム。
P3と同様に徹底した音楽性の追及のため、技術ノウハウを注ぎ込み、1台1台ハンドメイドで製作されました。
フォノモーター部にはEM-10を採用しています。
EM-10ではコッキングの発生しないコアレス・スロットレス構造のリニアトルクホールモーターを採用しており、強力な起動トルク(3kg-cm)を得ています。
また、安定した回転を得るため、軸受構造にはヤジロベータイプのSHR方式(Stable hanging rotor)を採用し、軸受に加わる側圧の低減と回転部分の重心を低くし、回転ムラ0.007%、回転数精度0.002%の回転性能を実現しています。
トーンアームにはEA-10を採用しています。
EA-10では信頼性のシリコンオイルを用いたレベル可変型オイルダンプ機構を採用しており、トラッカビリティの向上と、低音域の大振幅再生時に発生する混変調歪を大幅に低減しています。
また、調整リングを回転することで、ダンプオフとなり水平バランスを正確に取ることが容易にできます。
トーンアームの機械インピーダンスを平坦化させるために、あらゆる部分の振動モードの解析と試聴を繰り返し行い、ヘッドシェル一体のカーボンファイバーのストレートテーパードパイプを採用しています。これにより細部にわたる各部分の振動を押さえ込み、MMからMCまで幅広く安定した音質で再生を可能します。
また、市販のヘッドシェルの使用を可能にするため、S字型ユニバーサルアームパイプも装備し、殆どのカートリッジに対応できるようにしています。
キャビネットには、無共振のスリット方式積層ソリッドボードを使用し、プレイヤーに不要な振動を防止し、ハウリングに強い低重心型のインシュレーターを本体内部の上方から取り付けています。
また仕上げは、アンデスローズウッド天然木仕上げで、5mm厚のスモークドアクリルふーとを組み合せたシンプルなデザインとなっています。
機種の定格
型式 | カートリッジレス・プレイヤーシステム |
<フォノモーター部(EM-10)> | |
モーター形式 | リニアトルクDCホールモーター |
軸受構造 | SHR方式 |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
制御方式 | クォーツPLL |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転数精度 | 0.002% |
回転ムラ | 0.007%(WRMS、FG法) 0.015%(WRMS、JISレコード法) |
S/N | 78dB(DIN-B) |
起動トルク | 3kg-cm |
対負荷特性 | 針圧540gまで回転数変化無し |
起動特性 | 0.9秒 |
ターンテーブル | 31cmアルミ低圧鋳造法、重量2.8kg(含防振材) |
慣性質量 | 680kg-cm2(モーターゴムシートを含む) |
<トーンアーム部(EA-10)> | |
型式 | ダイナミックバランス型ツインパイプ交換方式 インテグレーテッドヘッドシェル付ストレートパイプ及び S字型ユニバーサルパイプ |
アーム有効長 | 282mm |
オーバーハング | 12.5mm |
トラッキングエラー | +1.85゜、-1.10゜ |
針圧調整範囲 | 0~3g(0.1gステップ) |
適合カートリッジ自重 | 4g~52g(ウェイト交換方式) |
高さ調整範囲 | ±3mm |
出力コード | ローインピーダンス金メッキプラグ付(無酸素銅線) |
ベース取付部 | コレットチャック方式 |
制動部 | シリコンオイルによる低域制動機構 (ダンピング係数可変方式) |
付属機構 | ダイレクトレバー方式アンチスケーティング シリコンオイルダンプ方式アームリフター |
<本体部> | |
キャビネット | アンデスローズウッド天然木仕上げ |
フード | 5mm厚アクリルスモーク貼合せフード |
ヒンジ | フリーストップ、着脱可能 |
インシュレーター | コイルスプリング、ゴムによるインシュレーター(低重心構造) |
クイックストップ付ブレーキ | 電子、メカ併用ブレーキ |
操作ボタン | フェザータッチ、ショートストロークプッシュSW(除電源SW) |
<その他> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 9W |
外形寸法 | 幅550x高さ245x奥行415mm |
重量 | 30kg |