オーディオの足跡

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D-1000の画像
 解説 

パイオニアのDATデッキ1号機。

入力と出力の波形を同一のものにするため、プロ用のPCMレコーダーでも使用されていんたかったオーバーサンプリング録再独立ダブルデジタルフィルター構成を採用しています。
デジタルフィルターは、再生側ではD/Aコンバーターを通常のサンプリング周波数の2倍で動作させることにより、後段のアナログローパスフィルターの負担を軽減し、周波数特性、歪率、群遅延特性を改善しています。従来の方式では、録音時はA/D変換の際に、急峻な減衰特性のアナログローパスフィルターだけを用いていたため、アナログフィルターの歪や位相遅れなどの影響を受け、音楽信号にかなりの変形や歪が生じていました。D-1000では、録音側にもデジタルフィルターを搭載することで、高域まで位相特性に優れた低歪の音質を実現しています。

D/A変換部にはオーバーサンプリング・グリッチレスD/Aコンバーターを搭載しています。
一般の抵抗ラダー型D/Aコンバーターでは、各スイッチングの応答のばらつきなどによってD/Aコンバーターにデジタルデータが入力されてからアナログ出力が安定するまでに時間がかかり、出力にノイズの一種であるグリッチが発生していました。
D-1000では、これを解決するためにD/Aコンバーターの動作を高速化しており、グリッチレスとすることによってディグリッチャーを通さないシンプルな信号経路を実現し、音質を改善しています。
さらに、左右独立のD/Aコンバーターを使用することでチャンネル間の位相差を排除しています。

オーディオ基板にはツインモノコンストラクションを採用しています。
この構成では、録音/再生、L/Rの回路を4分割し、部品の配置や線材の長さまで対称型とすることで、各ブロック間の干渉を排除しています。
さらに、オーディオ用プリント基板は片面をアースとすることでノイズを大幅に低減しています。また、基板上の電源ライン・グランドラインに1mm厚の極厚無酸素銅板のバスバーを採用することで、グランドの低インピーダンス化を図るとともに基板の剛性を高めています。

コンデンサーや抵抗には全て高音質部品を使用しています。
アナログ信号の経路となるカップリングコンデンサーには無誘導OFCリード線のメタライズドポリエステルフィルムコンデンサーを採用しています。また、信号系の抵抗類にはOFCリード線、金メッキ黄銅キャップモールド型炭素皮膜抵抗を採用しています。
さらに、信号系の配線材には無酸素銅線を使用しています。

プロ用のミキシングコンソールに使用されているものと同じスライドボリュームを採用しており、きめ細かい録音レベル調整を可能にするとともに、高域周波数でのセパレーション特性を大幅に向上しています。

テープの振動を抑えて安定した動作を実現するため新開発のカセットスタビライザーを搭載しています。
カセットスタビライザーでは、カセットハーフを上下から特殊な材質の樹脂で挟み込むことによって振動を抑えています。

外部からの振動を低減するため、振動減衰特性に優れた真鍮無垢の大型インシュレーターを採用しています。
さらに、このインシュレーターを無酸素銅ワッシャと銅ビスで二重シャーシにしっかり固定することで、徹底して振動を排除しています。

音質に悪影響を及ぼす磁気歪を大幅に低減するため銅メッキシャーシを採用しています。また、デジタル回路からの不要な干渉を防止するためデジタル回路をシールドし、デジタル回路とアナログ回路を明確に分離した構成としています。

電源部はデジタル系とアナログ系を分離した独立2トランス7電源構成としており、デジタル系からアナログ系への干渉を排除しています。
アナログ系のトランスには、大きな負荷変動にも充分対応できる強力な電源供給能力を持つ2巻線の電源構成を採用しており、さらに巻線とリード線には無酸素銅線を使用しています。また、デジタル系トランスにも無酸素銅線を用いた5巻線の電源構成として安定した電源供給能力を持たせています。

電源回路全体を構成する基板には通常の2倍の厚さの銅箔厚70μmの基板を採用しており、低インピーダンス化を図っています。

デッキメカニズム部にはパイオニア独自のリニアスケーティング機構を採用しており、高剛性シャフトやリニアベアリングと相まって優れた静粛性と信頼性を獲得しています。
リニアスケーティング機構では、デッキメカニズム部をカセットと例に組み込むことで、テープ走行状態を監視しながら操作が行えます。また、カセットを挿入するだけで自動的に装着・スケーティングを行うオートリードイン機能や、イジェクト時にカセットをワンタッチで取り出せるオートリードアウト機能により、操作性を向上しています。

モーター部にはドラムモーター、キャプスタンモーター、リールモーター2個を用いた4DDメカニズムを採用しており、高精度なデジタルサーボシステムと安定性の高いテンションスピードコントロールシステムによって高い信頼性を実現しています。

ピークマージンインジケーターを搭載しており、レベルメーターの0dB(量子化最大レベル)を超えると急激に歪を発生してしまうデジタル録音の適正な調整ができます。

デジタル信号を直接バーで表示するデジタルドライブピークメーターを搭載しています。
デジタル信号で直接メーターをドライブすることで、録音時などの正確なレベル監視を可能にしています。このメーターは、ピークは約3秒間ホールドされてオートリセットされます。
デジタル入力でもアナログ入力でも、極めて正確な録音レベルが監視でき、エンファシスをかけた信号でもデジタル信号レベルの最大値が読み取れるため、録音ミスがありません。

DATデッキならではのサブコードを用いたイージーオペレーション機能を搭載しています。

オートIDレコーディング機能を搭載しており、曲頭を示すスタートIDやプログラムナンバーを録音中に自動的に書き込めます。また、この機能はキャンセルすることもできます。
さらに、マニュアルIDレコーディング機能によって任意の場所にスタートIDやスキップIDを立てたり消去することができます。

オートリナンバー機能を搭載しており、ある部分まで録音されたテープに追加して録音したり、マニュアルでスタートIDを追加もしくは消去した後に自動的に曲番号を整理できます。

プログラムナンバーセッティング機能を搭載しており、録音の開始時にプログラムナンバーを自由に設定できます。

一発ダイレクト選曲機能を搭載しており、プログラムナンバーを指定してプレイボタンを押すだけで目的の曲を再生できます。

スキップ再生機能を搭載しており、不要な部分を飛ばして再生することができます(キャンセル機能付き)

ガイディングオペレーション機能を搭載しており、IDモードとテープ状態をマイコンが検出して表示し、その表示にしたがって操作することで確実にIDの記録や消去が行えます。

ブランクモニター機能を搭載しており、再生や早送り・巻戻し時に無録音部分が分かります。

エンファシスON/OFF機能を搭載しています。
音楽信号は一般的に高域成分が低域に比べて少ない場合が多く、録音時に高域を持ち上げ(プリエンファシス)、再生時に同量の高域成分を減衰(ディエンファシス)することによって高域でのダイナミックレンジやS/Nを改善することができます。
D-1000では好みに合わせてエンファシスをON/OFFして録音することができます。また、再生時には自動切換して再生します。

デジタル入出力端子には同軸と光の2種類を搭載しています。
光ケーブル用端子はON/OFFの切換が可能です。

飛び越し選曲も可能なミュージックサーチ機能や、曲頭を10秒間ずつ再生していくイントロスキャン、オートリワインド、リピート、50曲までのプログラム再生機能を搭載しています。

テープの残り時間の計算などに便利な60進法による時間計算機能を搭載しています。

タイマー録再機能を搭載しています。

REC/PAUSE状態およびREC状態では、ソースモニターがアナログ、デジタルともに可能なため、A/DコンバーターやD/Aコンバーターとしても使用できます。また、REC/PAUSE状態は5分間で解除されますが、音楽信号はそのまま出力されます。

CDのデジタル出力を入力した場合はモニターはできますが、録音はできません。

32kHz/16bitで録音されたテープの再生は可能です。

殆ど全ての操作を手元で行えるテンキー付きワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 回転ヘッド方式デジタルオーディオテープデッキ
テープスピード 8.15mm/s
量子化ビット数 16ビットリニア
サンプリング周波数 48kHz録音・再生、44.1kHz再生、32kHz再生
録再周波数特性 3Hz~22kHz ±0.5dB(標準モード)
SN比 95dB以上
ダイナミックレンジ 94dB以上
全高調波歪率 0.003%以下(1kHz)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%Wpeak)以下
アナログ入出力端子 ライン入力:250mV/470kΩ
ライン出力:250mV/100Ω
デジタル入出力端子 同軸入力端子:0.5Vp-p/75Ω
同軸出力端子:0.5Vp-p/75Ω
光入力端子
光出力端子
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 39.5W
外形寸法 幅457x高さ108x奥行390mm
重量 13.2kg
付属 ワイヤレスリモコン CU-D001