Pioneer CT-710
¥75,800(1979年頃)
解説
CT-910の技術を継承したステレオカセットデッキ。
ヘッド部には3ヘッド方式を採用しており、録音特性と再生特性をそれぞれ追求することで録再兼用ヘッドを用いた2ヘッド方式では得られない音質を得ています。
録音ヘッドと再生ヘッドにはセンダスト合金を用いたコンビネーションヘッドを採用しており、精度の高いケースにパッケージすることでギャップの平行度を一定に保ち、アジマスずれやクロストークの心配がありません。
メカニズムぶには2個のキャプスタンを配したクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、ヘッドタッチを良好に保つとともにレベル変動やドロップアウトを防いでいます。
駆動部には2モーター方式を採用しており、定速用にジェネレーター内蔵の電子制御DCモーター、早送り用にDCハイトルクモーターを採用しています。
カセットハーフを装着したときに瞬時にテープのたるみを除去するATLC機構を装備しています。
FLレベルメーターを搭載しており、-20~+8dBのワイドレンジをカバーするとともに、0dB未満はブルー、0dB以上はオレンジの2色表示とすることで確認しやすくなっています。
このFLレベルメーターは、通常のVUメーターと同等の応答動作をするアベレージメーターと、アタックタイムの速いピークメーターに切換えることができ、幅広いソースに対して確実なレベル監視が可能です。
バイアス調整機構を搭載しており、テープの特性を生かした録音が可能です。
ソフトプッシュ式のダイレクトチェンジ操作ボタンを採用しています。
操作ボタンはプリセットが可能となっており、タイマーと連動で留守録音や目覚し再生が可能です。
フルオープンローディング方式を採用しており確実な装着を可能にするとともに、テープ走行状態やラベルの確認、ヘッドなどのメンテナンスが行い易くなっています。
また、ヘッドハウジングを保護するダストプロテクターを装備しています。
モニタースイッチを搭載しており、録音中のソースとテープの音を聴き比べてモニターできます。
CrO2ポジション自動切換え機構を搭載しています。
また、STDやFe-Crテープは手動切換できます。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーシステムを搭載しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ヘッド | 録音:センダストヘッド 再生:センダストヘッド 消去:フェライトヘッド |
モーター | 定速ドライブ用:電子制御DCサーボモーター リールドライブ用:DCハイトルクモーター |
回転ムラ | 0.045%以下(WRMS) |
周波数特性 | 一般、LHテープ:25Hz~16kHz/30Hz~15kHz ±3dB フェリクロームテープ:25Hz~18kHz/30Hz~17kHz ±3dB クロームテープ:25Hz~18kHz/30Hz~17kHz ±3dB |
SN比 | ドルビーOFF:54dB以上(一般/LHテープ) ドルビーON:64dB以上(5kHz以上、一般/LHテープ) ※クロームテープ使用時はさらに4.5dB向上(5kHz以上) |
歪率 | 1.3%以下(0dB) |
操作部 | ソレノイド駆動、ダイレクトチェンジ方式 |
入力 (感度/最大許容入力/インピーダンス) |
Mic:0.3mV/250mV/10kΩ、0.6mmφジャック (適合インピーダンス250Ω~10kΩ) Line:64mV/25V/85kΩ、ピンジャック |
出力 (基準レベル/最大レベル/インピーダンス) |
Line:450mV/500mV/50kΩ、ピンジャック ヘッドホン:60mV/8Ω、6mmφステレオジャック |
付属機能 | ドルビーシステム(LED表示付き) テープセレクター(STD、Fe-Cr、LED表示付き) CrO2自動切換え機構 バイアス可変機構 モニタースイッチ(テープ/ソース切換え可能) 2色FLメーター(ピーク/アベレージ切換式) 自動テープたるみ除去機構(ATLC) タイマースタンバイ機構 カセット背面照明ランプ 来出力レベル調整ボリューム(背面部) |
使用半導体 | IC:10個 トランジスタ:42個 ダイオード:37個 ツェナーダイオード:3個 LED:3個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅420x高さ150x奥行355mm |
重量 | 9.0kg |