Pioneer CT-7
¥65,000(1974年頃)
解説
アンプやチューナーと積み重ねて使えるデザインを採用したステレオカセットデッキ。
カセットテープは前面から30゜の傾斜でセットされ、走行状態を肉眼で確認できます。
この状態で低い回転ムラを保証するために、トルクが大きく電圧変動等の影響を受けない電子制御DCモーターと真円度0.1μ以下の高精度キャプスタンを採用しています。
発光ダイオード(LED)と電子回路を組合わせたピークインジケーターを搭載しています。
録音ソースの瞬間的なピークレベルにすばやく反応・点灯し、録音レベルオーバーを警告します。
点灯レベルは、基準録音レベル(メーターの0dB)に対し+4dBにセットされており、音が完全に歪む最大録音レベル+10dBまで余裕をもたせてあるため、点滅時に録音レベルを調整できます。
またドルビー録音の場合はピークインジケーターによって録音レベルを設定すると、平均レベルはやや低めとなり、低歪率でダイナミックレンジの広い録音ができます。
ドルビーシステムを内蔵しており、録音ソースの音質をそこなわずに雑音だけを大幅に低減させています。
クロームテープ、ローノイズテープ、スタンダードテープなどの持ち味を引き出すため、バイアス2段/イコライザー2段の独立切換式テープセレクターを搭載しています。
クロームテープ用には高域のSNが改善される時定数70μsの新イコライザー回路を採用しています。
デュアド・フェリ・クロームテープを使用するときはバイアスセレクターをNormal、イコライザーセレクターをChromeに切り換えて録音・再生すれば持ち味が引き出せます。
ヘッドにはヘッドの摩耗が少ないフェライトソリッドヘッドを採用しています。
高域周波数での磁気損失が少なく、クロームテープ使用に有利となっています。
また、接触面は入念な鏡面仕上げが施されており、安定した音質を得ています。
録音レベルリミッターを搭載しています。
この装置を使用すると、録音時のオーバーレベル分だけを自動的にリミッターアンプでレベルを抑え、音割れの発生を防ぎます。
ダイナミックマージンの大きな録音アンプを内蔵しており、最大許容入力が高めになっています。
繰り返し再生したいときなどのため、テープカウンターを内蔵してます。
メモリーリワインドをONにしておけば、巻戻し操作でスタート点のひとつ手前、カウンターの999で自動的にストップします。
テープの文字を見やすくする内部証明スイッチを内蔵しています。
再生音をモニターしながら約2倍のスピードで早送りのできるスキップボタン搭載。
大型レベルメーターを搭載しています。
録音・再生レベルのツマミ位置を記憶するメモリーマーカー装置。
他のデッキと同時録音ができるパラレルの入出力端子。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
録音方式 | 交流バイアス、85kHz |
消去方式 | 交流プッシュプル方式 |
ヘッド | 録音・再生:フェライトソリッド 消去:フェライト |
モーター | 電子制御DCモーター |
早巻き速度 | 約80秒(C-60にて) |
回転ムラ(Wrms) | 0.10% |
イコライザー | 120μs/70μs(クローム時) |
周波数特性 | 一般テープ:30Hz~13000Hz、40Hz~12000Hz ±3dB クロームテープ:30Hz~16000Hz、40Hz~13000Hz ±3dB |
S/N | 48dB(333Hz、一般テープ、最大録音レベル Weighted) 58dB(5kHz以上、一般テープ、最大録音レベル Dolby NR ON Weighted) |
歪率 | 2%以下(333Hz、0dB) |
入力 | MIC:0.2mV~90mV/20kΩ(6φジャック)、ローインピーダンスマイク使用可 Line:60mV~9V/470kΩ(ピンジャック) Rec/PB:6mV~2.7V/10kΩ(DIN規格ジャック) |
出力 | Line:300mV/50kΩ(ピンジャック) Rec/PB:300mV/50kΩ(DIN規格ジャック) Headphone:40mV/8Ω(6φジャック) |
使用半導体 | トランジスタ:37個 FET:2個 IC:2個 サイリスタ:1個 ダイオード:23個 ツェナーダイオード:5個 発光ダイオード:2個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W(最大) |
外形寸法 | 幅430x高さ138x奥行310mm |
重量 | 8.5kg |
付属 | 録・再ステレオ接続コードx2 ヘッドクリーニングキットx1 |