オーディオの足跡

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MU-3000の画像
 解説 

パイオニアが製法開発したホール素子を応用して開発したダイレクトドライブ方式フォノモーター。

モーターの回転そのものがレコードの回転数と同じダイレクトドライブ方式を採用することで、回転ムラの原因になる減速機構は一切なく、回転数に比例して増大する振動の発生も低減しています。
さらに、モーターにはスイッチング機構の磁界検出にホール素子を応用した直流駆動のホールモーターを採用しており、ブラシを用いた機械的スイッチング機構のモーターと比較して振動は少なくなり、S/Nや耐久性を高めてます。

ホール素子は、入力端子に電流を流しそこに直角磁界を与えると出力端子に電位差が生じるという構造を持った磁気→電気の変換素子です。これをホール効果といい、十字型の基板にN型InSb(インジューム・アンチモン)の合金を蒸着させ、そこに入出力用の4本のラインを設け、合成樹脂材でモールドした一種の半導体となっています。
パイオニアでは、これを真空蒸着で製造する方法を開発し、製法の合理化と同時に、従来の30~50μに対して0.8μという超薄膜厚化に成功しています。さらに均一した品質をもってホール素子の性能の改善が図られています。
MU-3000では、ホール素子を3個、ステーターコアの下部に配し、順次スイッチングを行っています。

MU-3000の駆動部は、20極に着磁したローターマグネットと、60スロットで2本ずつペア巻線された、3相波巻きのステーターにより構成されています。
ステーター側の一部には3個のホール素子が配され、このホール素子には20極に着磁されたマグネットローターの回転で、順次磁力線によりトランジスタ回路を働かせるための信号を発生します。トランジスタ回路はこの信号にしたがって、各巻線への電流供給を順次切換え、回転駆動力を発生しています。

定速性のより厳密な精度を求め、DCサーボ機構を採用しています。
このサーボ機構は、マグネットローターの回転により巻線内に発生する逆起電力を利用して、回転制御する方式を採用しています。逆起電力は回転に比例して増減するため、この変化を検出し、電子回路が正確に駆動電流を制御します。

33・1/3、45rpmの速度切換えに、純電子式の回路を採用しています。
また、各回転数のそれぞれに独立して調整できる速度微調整ノブが設けられており、±2%の範囲で自由にコントロールできます。

DCモーターを採用しているため、50Hz/60Hzの電源周波数に関係無く使用が可能です。

機種の定格
型式 フォノモーター
モーター ブラシレスDCサーボホールモーター(20極60スロット)
駆動方式 ダイレクトドライブ
ターンテーブル 31cm径アルミ合金ダイキャスト(1.7kg)
回転数 33・1/3、45rpm、微調整可能
回転数調整範囲 ±2%以内、各回転数独立調整
回転数切換 電子式
起動時間 1/2回転、1.3秒以内(33・1/3rpm)
回転ムラ 0.03%以下(WRMS)
S/N 60dB以上
付属機構 回転数微調整つまみ
ストロボ
水準器
使用半導体 トランジスタ:23個
ダイオード:17個
ホール素子:3個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 5W
外形寸法 幅330x高さ121x奥行370mm
重量 10kg