Pioneer D-23
¥100,000(1980年頃)
解説
2ウェイから4ウェイまで、幅広くマルチアンプが楽しめるよう多彩な機能と基本性能を重視したクロスオーバーネットワーク。
主回路のバッファアンプは、特性の揃ったペアのローノイズトランジスタによる±2電源供給の純コンプリメンタリーSEPP回路構成となっており、これにより、偶数次高調波歪成分を低減しています。
また入力インピーダンスを高く、出力インピーダンスを低く設定し、フィルターのCR素子の影響を防止してます。
さらに電源は左右独立した定電圧回路により、+30V、-22Vの高電圧を供給しており、広いダイナミックレンジを確保するとともに、チャンネル間の相互干渉を排除しています。
帯域分割は、Low/Mid-Low/Mid-High/Highの4分割で4ウェイまでのマルチ化が可能です。
カットオフ周波数はそれぞれ1/3オクターブごとの11点セレクトで、ハイカットとローカットが独立しています。
各帯域のレベルコントロールは1dBステップのアッテネーター式を採用しています。
遮断スロープは6、12、18(dB/oct)の3種類が選べます。
6dB/octと18dB/octはクロスオーバー点での減衰量が-3dBですが、12dB/octの場合は-3dBでクロスさせると位相の関係で特性がもり上がる事があるため、12dB/octの場合のみ-6dBクロスとしています。
スロープ切換えには、Highポジションのローカットをのぞき、全てフラットポジションを搭載しており、これを活用することにより、2ウェイから4ウェイまでの色々なタイプのマルチアンプシステムを自由に構成できます。
機種の定格
型式 | エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク | ||||
回路方式 |
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カットオフ周波数 | Low(High Cut)、Mid Low(Low Cut) 63、80、100、125、160、200、250、320、400、500、630Hz Mid Low(High Cut)、Mid High(Low Cut): 320、400、500、630、800、1k、1.25k、1.6k、2k、2.5k、3.5kHz Mid High(High Cut)、High(Low Cut): 1.6k、2k、2.5k、3.2k、4k、5k、6k、8k、10k、12.5k、16kHz |
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スロープ特性 | 6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct | ||||
レベルコントロール | 0~-30dB(1dBステップ)、-∞、左右チャンネル独立可変 | ||||
挿入損失 | 0~-2dB | ||||
入力インピーダンス | 100kΩ | ||||
出力インピーダンス | 4kΩ(MAX) | ||||
出力(RL:50kΩ) | 1V、10V(MAX) | ||||
高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.005%(1V出力) 0.1%(10V出力) |
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周波数特性(Low end/High end) | 10Hz/100kHz +0 -1dB | ||||
SN比(出力1V時) | 100dB(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | ||||
使用半導体 | トランジスタ:71個 ダイオード、他:18個 |
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電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力(電気用品取締法) | 11W | ||||
ACアウトレット | 電源スイッチ非連動:1系統 | ||||
外形寸法 | 幅420x高さ150x奥行352mm | ||||
重量 | 8.7kg |