Pioneer VSA-D10EX
¥270,000(2000年6月発売)
解説
THXサラウンドEXに対応したフラッグシップにあたるAVアンプ。
THX Ultraの規格に対応しており、省スペースから本格的なホームシアター環境(3000ft)まであらゆる空間に対応しています。
劇場用音響フォーマットであるサラウンドEXの音響効果をリビングにもたらすTHXサラウンドEXデコーダーを搭載しています。
この方式は従来の5.1chにサラウンドバック2chを追加した7.1chサラウンドとなっており、音の連続性や包み込まれるような迫力をさらに向上させています。
VSA-D10EXでは外部パワーアンプを追加することでサラウンドバック用スピーカーを接続できます。サラウンドEX対応のソースではTHXサラウンドEXの7.1chサウンドで楽しめ、ドルビーデジタル5.1chで収録されたソースもTHXサラウンドEXデコード処理を行うことで7.1chとして再生できます。
さらにDTS-ESコンパチブルにも対応しています。
デコーダーにはCirrus Logic社製のCS493292-CL EPを採用しています。
このDSPチップはBSデジタル放送のMPEG-2 AACに対応しており、BSデジタル放送される5.1chの映画をソースそのままで楽しんだり、マルチチャンネルで放送されるコンテンツをそのまま楽しめます。
アドバンストシアターモードを搭載しています。
この機能はパイオニア独自の音場モードで、DTSやドルビーデジタルなどのサラウンドフォーマットのエッセンスをそのままに、リビングの様式やユーザーのサウンド嗜好に最適なサウンドフィールドが選択できます。
また、7-Dシアターモードではドルビーサラウンドなど2chベースのソースを7.1chマルチスピーカーでのサラウンド再生できます。
ミッドナイトリスニングモードを搭載しており、夜間など小音量で映画や音楽を愉しむ際に不足しがちな臨場感を改善できます。
このモードはボリュームの変化に合わせて周波数特性やバランス、ダイナミックレンジなど、人間の聴感特性に合わせた補正を行います。
DSPモードを搭載しており、7種類のサラウンドモードが選択できます。
また、Hall1、Hall2、Jazz、Dance、Theater1、THeater2ではエフェクトレベルを9段階に調整できます。
5チャンネル分のパワーアンプ部にはダイレクトエナジーMOS-FETをそれぞれ使用しています。
この素子は発熱によるパワーロスが少なく、高効率な信号増幅と共にパワーリニアリティに優れているという特長を持ち、正確なスピーカードライブに貢献しています。
このダイレクトエナジーMOS-FETを選別使用することによって全チャンネルの動作条件を揃え、チャンネル毎の音質や音色の差を最小化しています。
さらにヒートシンクには共振を抑えるアルミ製大型肉厚タイプのものを採用することで、十分な熱対策と同時に高音質化を図っています。また、高音質化を追求するたダイオードの銅製シールドカバーや電源トランスなど、徹底したノイズ対策が施されています。
入出力端子は映像系ではプログレッシブ映像に対応するD4映像端子をはじめ、コンポーネント映像端子やS2映像端子を搭載しています。
音声系ではDVDオーディオにも対応するマルチチャンネル(7.1ch)ダイレクト入力端子、バナナプラグ対応の新開発大型金メッキスピーカー端子に加え、デジタル入出力端子も豊富に搭載しています。
内部コンストラクションにはダイレクトコンストラクションを採用しています。
この方式は信号経路は出来る限りシンプルであるべきという思想を形にしたもので、デジタルとアナログ、映像と音声といった異なる回路をそれぞれ分離し、パーツを最適配置することで信号伝達経路を最短化しています。これにより回路間の信号の干渉を徹底的に排除しています。
また、電源部の基板の銅箔を通常の倍の70ミクロンとすることで回路の低インピーダンス化を図り、よりスムーズな信号の流れを実現しています。
シャーシ構造にはダブルレイヤードシャーシを採用しています。
この方式ではシャーシを二重化して溶接接合しており、シャーシの剛性を高めて歪を抑えています。またシャーシ及びリアパネルを銅メッキ処理することで低インピーダンス化を推進しており、高周波電位の安定化にも寄与しています。
マルチチャンネルに対応したデジタルノイズリダクションを搭載しています。
カセットテープ、VTR、FM/AMチューナーなどの音声信号に含まれるノイズを補正し、ノイズの少ない聴きやすいサウンドにします。
RFデモジュレーターを搭載しています。
各回路ごとに分離・独立したローカルレギュレーターを搭載しています。
高音質用高耐圧フィルムコンデンサーや高リップル電解コンデンサー、ローノイズ型ブリッジ整流ダイオード、電源部70ミクロン銅箔プリント基板、低共振・大型肉厚アルミ押出ヒートシンクなどのパーツを採用しています。
金メッキ入出力ピンジャックやバナナプラグ対応ネジ式金メッキスピーカー端子を採用しています。
ディスプレイ部には4段階FLディマーディスプレイを搭載しています。
4.5型のバックライト付き大型液晶タッチパネルリモコンが付属しています。
このリモコンでは液晶に表示されるGUIに従って操作します。システムパワーをONするだけでDVDやTV、VCRの電源が連続的に立ち上がるマクロ機能や、最大5コマンドまで自由に追加設定できるフレキシブルマクロ、1ボタンで全システムをオフできるシステムオフマクロ、不用意な号操作を防ぐロック機能を装備しています。
機種の定格
型式 | AVアンプ |
<オーディオ部> | |
THX規格 | Ultra |
対応サラウンドフォーマット | THX Surrond EX DTS(DTS-ESコンパチブル) MPEG-2 AAC Dolby Digital Dolby Prologic |
サラウンドモード | Advanced Theaterモード (4モード:スタンダード、ミュージカル、ドラマ、アクション) 7-D Theater DSP Mode (7プログラム:Hall1、Hall2、Jazz、Dance、Theater1、Theater2、5/7chステレオ) ミッドナイトリスニングモード |
実用最大出力 (サラウンド時、6Ω、EIAJ) |
フロント:160W+160W リア:160W+160W センター:160W |
定格出力 (20Hz~20kHz、0.09%、6Ω) |
5ch再生時 フロント:120W+120W リア:120W+120W センター:120W 2ch再生時 120W+120W |
周波数特性 | Phono:20Hz~20kHz ±0.3dB Line:5Hz~100kHz +0 -3dB |
全高調波歪率 | 0.09%(20Hz~20kHz、120W、6Ω) |
SN比(IHF-A) | Phono MM:80dB Line:105dB |
トーンコントロール | Bass:±6dB(100Hz) Treble:±6dB(10kHz) |
ミューティング | -∞ |
<入力端子> | |
デジタル | 同軸:2系統 光:3系統 (PCM/Dolby Digital/DTS/MPEG兼用) DolbyDigital RF:1系統 |
オーディオ入力 | 5系統(CD、Line/Tuner、MD/Tape1/CD-R、Tape2/Monitor、Phono) マルチチャンネル入力:1系統 |
入力感度/インピーダンス | Phono:4.7mV/47kΩ Line:335mV/47kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:335mV/2.2kΩ |
ビデオ入力 | 5系統(DVD/LD、TV/SAT/DVD、VCR1/DVR、VCR2、Video) |
Sビデオ入力 | 5系統:S2端子(DVD/LD、TV/SAT/DVD、VCR1/DVR、VCR2、Video) |
コンポーネントビデオ入力 | 2系統(DVD/LD、TV/SAT/DVD) |
D端子 | 2系統:D4端子(DVD/LD、TV/SAT/DVD) |
<出力端子> | |
スピーカー出力 | フロント:2系統 センター:1系統 サラウンド:1系統 |
プリアウト出力 | 各1系統(フロントL/R、センター、サラウンドL/R、サラウンドバックL/R、サブウーファー) |
デジタル出力 | 光:2系統 |
オーディオ出力 | 2系統(MD/Tape1/CD-R、Tape2/Monitor) |
ビデオ出力 | 4系統(VCR1、VCR2、Video monitor 1/2) |
Sビデオ出力 | 3系統:S2端子(VCR1、VCR2、Video Monitor) |
コンポーネントビデオ出力 | 1系統(Monitor) |
D端子 | 1系統:D4端子(Monitor) |
<その他> | |
SR入出力 | 各1系統 |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 320W(電気用品取締法) 1.0W(スタンバイ時) |
外形寸法 | 幅420x高さ173x奥行474mm |
重量 | 20.0kg |
付属 | 学習機能付き大型液晶タッチパネルリモコン |