Pioneer C-77
¥120,000(1980年頃)
解説
各回路の特性を高め、多機能性と音質の両立をはかったステレオプリアンプ。
イコライザー回路は±2電源による初段差動3段直結A級SEPPの回路構成となっています。
NFB素子には、誤差1%の精密ニクロム蒸着金属皮膜抵抗と、誤差2%のスチロールコンデンサーを組み合わせ、20Hz~20kHzの全帯域で±0.2dB以内の周波数特性を確保しています。
レコードに刻まれたダイナミックレンジを再現するため、イコライザー回路には±48Vの高電圧を印加しています。
2系統のフォノ入力端子に出力電圧の異なるカートリッジを接続した場合にも、レベル合わせができるよう、フォノ2は-12dB(入力感度2.5mV~10mV)までのレベルコントロールが可能です。
特殊な4連ボリュームで、-6dBまではNFB量を、-6dBから-12dBまでは出力レベルをコントロールする方式を採用しており、-6dB以上に絞った時には最大許容入力が約2倍の1Vと大きくなり、高出力カートリッジの使用も可能です。
トーン回路にはパイオニア独自のツイントーンコントロールを採用しています。
この回路は、Bass100HzとTreble10kHzのメインコントロールのほか、サブコントロールとして50Hzの超低域と20kHzの超高域のコントロールを備えた方式で、メインとサブを組合わせて合計5929種のカーブが作り出せるため、特性にあわせた高度なコントロールを可能にしています。
ボリュームには、22接点のデシベル表示で表示誤差±0.2dB、左右連動誤差0.2dB以内の精度をもつ、アッテネーター方をしようしています。
さらに、ボリュームは特殊4連型を採用しており、コントロールアンプの前段と後段の2ヵ所でアッテネートするため、ノイズが減少し、通常使用時のSNが向上しています。
0dB、-15dB、-30dBのアッテネーター、ハイカットフィルター、2系統のテープデュプリケートスイッチ、トーンスイッチなどのコントロール機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリアンプ | ||||
回路方式 | イコライザーアンプ部:初段差動3段直結終段A級SEPP コントロールアンプ部:初段差動3段直結終段A級SEPP |
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入力端子 | Phono1:2.5mV/50kΩ Phono2:2.5mV~10mV/50kΩ MIC:2.5mV/50kΩ Tuner、AUX1、2:150mV/100kΩ Tape Play1、2:150mV/100kΩ |
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Phono最大許容入力 (高調波歪率 0.05%、1kHz) |
Phono1:500mV Phono2:500mV~1000mV |
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出力端子 | Tape Rec1、2:150mV/2.2kΩ Output(RL:50kΩ):2V/600Ω、7V/600Ω |
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高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.03%(2V出力) 0.05%(7V出力) |
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周波数特性 | Phono1、2:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、AUX、TapePlay:10Hz~70kHz +0 -0.5dB |
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SN比(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット) |
Phono:74dB Tuner、AUX、TapePlay:90dB |
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トーンコントロール (1.5dBステップ) |
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フィルター | Low:15Hz、30Hz(12dB/oct) High:12kHz、8kHz(12dB/oct) |
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アッテネーター | 0、-15、-30dB | ||||
使用半導体 | IC:2個 トランジスタ:50個 ダイオード、他:31個 |
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電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力(電気用品取締法) | 17W | ||||
外形寸法 | 幅480x高さ186.5x奥行365mm | ||||
重量 | 11.2kg | ||||
EIU規格ラック取付ユニット | 4U |