Pioneer C-21
¥60,000(1980年頃)
解説
プリアンプの原点に返って音質を追求し、純度の高い音質を実現するために単機能に徹したシンプル構成のプリアンプ。
イコライザーアンプの回路方式は、差動2段、カレントミラー回路A級SEPPを採用しています。
歪の低減とSN比の向上を重点としたこの回路により諸特性を改善しています。
さらに、イコライザー素子には抵抗値誤差±0.5%、温度特性±100ppm/℃の精密小型金属皮膜抵抗や、容量誤差±1%のポリプロピレンコンデンサーなど厳選した素子を使用しています。
またこの回路には、±37Vの高電圧を印加し、感度2.5mVに対して最大許容入力300mVの余裕あるダイナミックマージンを確保しています。
各種カートリッジの性能を発揮させるため、負荷抵抗6種と負荷容量6種がそれぞれ独立で選べ、合計36種のカートリッジロードが設定できます。
また負荷抵抗100Ωのポジションは、出力電圧の大きいMCカートリッジをダイレクトに接続するのに適します。
フラットアンプ部も、イコライザー部と同様に差動2段増幅を採用しています。
初段にローノイズトランジスタを使用するとともに、中間増幅段にカレントミラー回路を採用しており、厳選された素子の使用とあいまって、周波数特性10Hz~100kHz +0 -0.2dB、歪率0.005%、SN比100dBの特性を確保しています。
電源部はプリアンプとしては大型のL/R独立巻線トランスで定電圧電源を構成し、チャンネル間の相互干渉を排除しています。
またミューティング回路のリードリレーもL/R独立で2個使用し、さらにファンクションスイッチにも、チャンネル間の干渉を抑えるスペーサーを組み込んだ特殊設計とするなど、ステレオ再生のクオリティを重視しています。
ボリュームは接点が銀印刷された32ステップのアッテネーター式を採用しています。
フラットアンプ出力段には、L・R独立した22接点アッテネーターによるゲインコントロールを搭載しています。
接点を銀パラジウム処理しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリアンプ | ||||
回路方式 | イコライザーアンプ部:差動2段カレントミラー増幅A級SEPP コントロールアンプ部:差動2段カレントミラー増幅A級SEPP |
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入力端子 | Phono:2.5mV/100Ω、10kΩ、25kΩ、50kΩ、75kΩ、100kΩ カートリッジ負荷容量:100pF、150pF、200pF、300pF、400pF、500pF AUX1、2、Tape Play:150mV/50kΩ |
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Phono最大許容入力 | 300mV(1kHz、高調波歪率 0.01%) | ||||
出力端子 | Tape Rec:150mV/1kΩ Output(RL:50kΩ):1V/450Ω(定格)、20V/150Ω(MAX) |
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高調波歪率(20Hz~20kHz) | Phono:0.006%(1V出力時、Volume-20dB、ゲインコントロール0dB) AUX:0.005%(1V出力時、ゲインコントロール0dB) |
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周波数特性 |
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SN比(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット) |
Phono:80dB(出力1V時) AUX:100dB(出力1V時) |
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Phonoサブソニックフィルター | 15Hz、6dB/oct | ||||
使用半導体 | トランジスタ:36個 ダイオード、他:47個 |
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電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力(電気用品取締法) | 10W | ||||
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:3系統 電源スイッチ非連動:2系統 |
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外形寸法 | 幅420x高さ81x奥行357mm | ||||
重量 | 6.3kg |