Pioneer A-8800X
¥59,800(1979年頃)
解説
ダイレクトパワーサプライを採用したステレオプリメインアンプ。
ダイレクトパワーサプライ方式は、小信号回路基板(イコライザーアンプ、フラットアンプ)と大信号回路基板(パワーアンプ)のそれぞれに、専用の電源を組み込んだ構成となっています。そのため、それぞれの電源が各回路と直結していてコードの引き回しが無く、大幅な低インピーダンス化を可能にしています。さらに、アンプユニット間の相互干渉も防ぐ事ができるため、音質向上を得ています。
電源部は、大型トランスに加えて、電源コンデンサーを左右2本ずつ並列に配置しており、コンデンサーのインピーダンスを低く抑えています。
A-8800Xには新開発のSuper Linear RET(Ring Emitter Transistor)を採用しています。
これは、パワーアンプM-25で開発され、マグニワイドアンプA-0012にも使われた高域のスイッチング特性に優れた集団トランジスタで、実効出力時のリニアリティを大幅に改善しています。
さらに放熱器には新開発のT型スカイプフィンを採用し、放熱効果を50%以上高めています。
MCカートリッジがダイレクトに接続できるMCポジションを搭載しており、フロントパネルのスイッチ切換でMM/MCが選択できます。
Phono入力部は、カスコード・カレントミラー接続とFET差動入力回路を採用しています。
また、フラットアンプ部は新開発キャンタイプのローノイズデュアルFETによる差動2段構成の回路を採用しています。
フラットアンプ部とパワーアンプ部は、入力回路とNF回路からコンデンサーを除去したDCアンプ構成を採用しており、コンデンサーによる中・低域の位相ずれやダンピングの劣化、過渡的混変調歪の発生を抑えています。
ファンクション切換えなどのスイッチはワンタッチ操作が可能なソフトプッシュ式を採用し、トーンコントロールやカートリッジなど、音質の変化を連続的に確認する必要があるものにはロータリー式を採用しています。
MMカートリッジの性能をより発揮させるため、負荷抵抗と負荷容量がそれぞれ3段階独立して選べます。
トーンON-OFFスイッチを搭載しています。
2テープモニター、テープデュプリケートスイッチを搭載しています。
また、ラウドネスコンターやサブソニックフィルターを搭載しています。
別売りでウッドキャビネットがありました。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
実効出力(15Hz~20kHz) | 75W+75W(8Ω、両ch駆動) |
高調波歪率(8Ω) | 0.03%(実効出力時) 0.01%(37.5W出力時) 0.01%(1W出力時) |
混変調歪率 (50Hz:7kHz=4:1、8Ω) |
0.03%(実効出力時) 0.01%(37.5W出力時) 0.01%(1W出力時) |
出力帯域幅 | 5Hz~50kHz(両ch駆動、THD 0.03%) |
出力端子 | Speaker、Headphone、Tape rec1、2(150mV) |
ダンピングファクター | 40(15Hz~20kHz、8Ω) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/25kΩ、50kΩ、100kΩ 負荷容量100pF、200pF、300pF Phono MC:250μV/100Ω Tuner、Aux、Tape play1、2:150mV/50kΩ |
Phono最大許容入力 (1kHz、THD0.02%) |
MM:200mV MC:20mV |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、Aux、Tape play1、2:10Hz~100kHz +0 -2dB |
SN比(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット) |
Phono MM:89dB Phono MC:72dB Tuner、Aux、Tape play:110dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
フィルター | Low:15Hz、6dB/oct |
ラウドネスコンター (Volume -40dB時) |
Low:+6dB(100Hz) High:+3dB(10kHz) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 180W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅420x高さ150x奥行369mm |
重量 | 11.6kg |
別売 | ウッドキャビネット JA-C80(¥5,500) |