Pioneer A-3R
¥60,000(1992年発売)
解説
音質へのこだわりを徹底しつつ、音楽の楽しめる操作性に着目したプリメインアンプ。
リモコン付アンプでは、使用されている半導体スイッチにより音に歪を発生させています。これを排除するため、ファンクション切り替えにモーター駆動ロータリースイッチを採用しており、さらにリモコン制御用のマイコン搭載による音質劣化を抑えるため、マイコン専用にトランスと電源を独立させ、基板までも専用化することにより、リモコンのコントロール信号がオーディオ部に流入するのを防ぎノイズ発生を抑えています。
また、リモコン操作をしていない状態ではマイコンの動作を停止させています。
パワーアンプ部には、増幅部に使用されるトランジスタの持つ非直線歪を、まったく逆の特性を持つトランジスタを組合わせて互いの非直線歪を打ち消しあうスーパーリニアサーキットを採用しています。
これにより、信号の劣化や歪を低減しています。
電源部から流入するノイズを防ぐため、電源トランスをシャーシから絶縁し、トランスから発生するノイズを独立したアース系へ流すクリーングランドシステムを採用しています。
トランスコアから発生するノイズ電流は信号系に流入しないため、スペックにあらわれない聴感上のSN比を向上させてます。
電源部の平滑コンデンサには、プラス側とマイナス側で発生する磁界による音質への影響を配慮した、コンプリメンタリーキャパシターをペアで採用し、ローノイズ化を図っています。
配線の無駄な引き回しをさけ、信号の劣化や干渉を抑えるダイレクトコンストラクションIIを採用しています。
ファンクションスイッチを信号入力部にレイアウトし、ダイレクトスイッチON時には信号が接点を通過することにより起こる劣化を抑えています。
さらに、RECセレクターも信号入力部に接近してレイアウトすることで、テープへの録音などでも信号の経路が最短となる設計となっています。
また、ファンクション・スイッチ、ボリューム、ダイレクト・スイッチ、パワーアンプを同一の基板上にレイアウトし、配線の削減と最短化を実現してます。
スピーカーA、B切り替えもプロテクション機能を備えたリレー切り替えとし、出力信号の経路を徹底して短くしています。
ハニカムシャーシやハニカムヒートシンクにより防振対策を行っており、振動や共振を抑えています。
低負荷時のスピーカーのドライブ能力を向上させる低負荷ドライブ設計が行われており、ディスクリート構成の採用とあいまってクオリティの高いパワー感のある音質を実現しています。
抵抗やコンデンサー、コードには厳選したパーツを採用しています。
また、極性表示付電源コードや、信号系、電源系コードに無酸素銅線を採用しています。
振動の吸収に効果を発揮する銅メッキビスを採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
実用最大出力 | 90W+90W(4Ω、EIAJ) |
定格出力 (両ch駆動、20Hz~20kHz) |
50W+50W(6Ω、0.03%) 40W+40W(8Ω、0.01%) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2:150mV/40kΩ |
Phono最大許容入力 | MM:150mV(1kHz、0.02%) |
出力レベル/インピーダンス | DAT/Tape1、Tape2、Line、Rec、Adaptor Out:150mV/2.2kΩ |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2:5Hz~100kHz +0 -3dB |
SN比(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット) |
Phono MM:83dB(2.5mV) CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2:108dB |
スピーカー負荷インピーダンス | A、B:4Ω~16Ω A+B:8Ω~32Ω |
トーンコントロール (Volume -30dB) |
Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
ラウドネスコンター (Volume -30dB) |
100Hz:5dB 10kHz:3dB |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統(200W) 電源スイッチ非連動:1系統(100W) |
消費電力(電気用品取締法) | 130W |
外形寸法 | 幅420x高さ128x奥行352mm |
重量 | 7.8kg |
付属 | リモコン CU-A004 |