解説　

左右対称ツインモノラル構造を採用したステレオプリメインアンプ。

A-07ではリアルで豊かなステレオイメージ獲得のため、ツイントランスに代表される内部回路の左右対称レイアウトに加えてフロンとパネルのリアパネル、ボリュームまでも含めた左右対称構造としています。これにより、電流、磁界、温度分布、機械的な応力分布などの環境を均一化し、パーツに起因する左右の特性誤差を限りなく抑えています。

A-07では電流帰還型回路による1段増幅で必要なゲインを得るワイドレンジリニアサーキットを搭載しており、ダンピングファクターを広帯域にわたってフラットにし、確かなスピーカードライブを実現しています。さらにパワーリニアリティと温度安定性に優れた新開発出力段であるクロスアレーパワーステージの採用により、回路そのものの安定性を高めています。
これにより優れた高域周波数特性を獲得し、位相特性も飛躍的に向上しています。また、高周波ノイズに対しても強い特性を実現しています。

厳選された高信頼性パーツを採用しています。
徹底した音質チューニングを施したカスタム仕様ポリプロピレンフィルムコンデンサーをはじめ、使用環境に左右されない安定度を確保した巻線抵抗、モールド抵抗、密閉型リレーなどを採用し、高い精度と信頼性を実現しています。
さらに、微細な振動にも影響を受けにくい高精度アッテネーターボリュームを採用しており、左右の連動誤差を低減して正確かつ安定したコントロールを可能にしています。

内部構造には各ブロックをフレームによって分離したチェンバー構造を採用しています。増幅部、電源部、コントロール部を各々シールドすることでブロック間の相互干渉を排除しています。
リアパネルはアンプの動作基準であるグランドを中心として放射状にピンジャックを配置し、電気的な安定性を高めています。さらに、放熱特性と振動減衰特性に優れたエアロウイングヒートシンクを採用しており、高い伝熱効果によってパワートランジスターの温度を均一化すると同時に構造自体に平行面をなくして音の濁りの原因となる定在波や共鳴を抑えています。

信号経路をできるだけシンプルにするため、アドバンスト・ダイレクト・コンストラクションを採用しています。
この方式では、入力端子直後において信号切替リレーによって選択された信号は、ボリュームと増幅回路が最短で結ばれる一枚基板に入力されます。これにより信号経路のさらなる最短化と電気的な安定性の向上を実現しています。

Gain Selectorを搭載しています。
これは接続されるソース機器の出力を最大限に活かすためにアンプのゲインを切換える機能で、小音量で聴く時や能率の高いスピーカーを使用する場合などに26dBのポジションにすることでS/Nが向上し、細かな音量コントロールが可能になります。

左右両チャンネルの電気回路、コントロール系回路及び電源部を電気的に独立させたアイソレーテッド・サーキットを採用しています。この回路ではフォトカプラを用いて回路間の電流ループによる相互干渉を排除しています。

Phonoイコライザーには1チップデュアルFET入力構成を採用しています。

信頼性の高い金メッキ入力端子を採用しています。

電源ケーブルは電源トランス直下から引き出し、外部雑音の影響を抑えています。また、線材には大容量極太タイプのOFCケーブルを採用しています。

万力タイプの大型スピーカーターミナルを採用しています。

機種の定格

型式	ステレオプリメインアンプ
定格出力(両ch駆動、20Hz～20kHz)	100W+100W(4Ω、0.03%) 50W+50W(8Ω、0.01%)
ダンピングファクター	300(20Hz～20kHz、8Ω) 350(1kHz、8Ω)
入力感度/インピーダンス	Phono MM:2.8mV/50kΩ CD、Tuner、Line、Tape:200mV/50kΩ
Phono最大許容入力	MM:150mV(1kHz、0.2%)
出力レベル/インピーダンス	Tape rec:200mV/1kΩ
周波数特性	Phono MM:20Hz～20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line、Tape:1.5Hz～400kHz +0 -3dB
S/N(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット)	Phono MM:84dB CD、Tuner、Line、Tape:105dB
電源電圧	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法)	200W
外形寸法	幅440x高さ164x奥行479mm
重量	23.3kg