Pioneer A-05
¥120,000(1996年発売)
解説
上級機の技術を継承したプリメインアンプ。
シャーシレイアウトには左右対称ツインモノラル構造を採用しています。
A-05では、ツイントランスに代表される内部回路や構造の左右対称レイアウトに加え、フロントパネル、リアパネル、ボリュームまでも含めて徹底した左右対称構造とすることで、電流、磁界、温度分布、機械的な応力分布などの環境を均一化しています。これによりパーツに起因するL/Rの特性誤差を限り無く抑えています。
さらに一切の妥協を配して回路のシンプル化に徹すると共に信号経路のストレート化を図ることで、より純度の高い再生音を獲得しています。
ワイドレンジリニアサーキットver.5を採用しており伝送系の時間軸特性を改善しています。
従来のアンプ回路では高周波に対する安定性を確保するためにスピーカー出力端子のチョークコイル、各入力端子のコンデンサー、位相補償コンデンサーを搭載していました。しかし、これらのパーツは回路のシンプル化やピュアな音の増幅を妨げており、チョークコイルは高周波領域の出力インピーダンスに、位相補償コンデンサーは音質に悪影響を与えていました。
この問題を解消するため、ワイドレンジリニアサーキットでは電流帰還型回路による1段増幅で必要なゲインを得る構造としており、ダンピングファクターを広帯域にわたってフラットにし、優れたスピーカードライブ力を獲得しています。
カスタム仕様のボリュームやオリジナルの有機半導体コンデンサーなどの専用チューニングパーツを採用しています。
電源トランスにはオリエントコアを用いたトロイダルトランスを採用しています。
角が無いコア断面によってうなりの発生を抑え、S/N感を向上しています。
ゲインセレクターを搭載しており、余分なゲインをカットすることで小音量再生時の音の純度を高めています。
セレクターでは40dBと26dBの2ポジションがあり、40dBポジションではゆとりのあるパワーが得られ、26dBポジションではナチュラルな音楽再生が可能です。
フォノイコライザーには1チップデュアルFETを入力回路に採用しています。
電源ケーブルにはOFC電源コードを採用しています。また、電源トランス直下から電源コードを引き出す構成とすることで外部雑音の影響を排除しています。
金メッキ入出力端子を採用しています。
伝送ロスが少ない万力タイプの大型スピーカーターミナルを採用しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格出力(両ch駆動) | 90W+90W(4Ω、20Hz~20kHz、0.05%) 45W+45W(8Ω、20Hz~20kHz、0.03%) |
ダンピングファクター | 300(20Hz~20kHz、8Ω) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.8mV/50kΩ CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2/CDR:200mV/30kΩ |
Phono最大許容入力 | Phono MM:150mV(1kHz、0.02%) |
出力レベル/インピーダンス | DAT/Tape1、Tape2/CDR:200mV/1kΩ |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2/CDR:5Hz~300kHz +0 -3dB |
SN比(IHF-Aネットワーク 、ショートサーキット) |
Phono MM:84dB(2.8mV) CD、Tuner、Line、DAT/Tape1、Tape2/CDR:105dB |
スピーカー負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 170W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅440x高さ163x奥行476mm |
重量 | 15.1kg |