Pioneer A-008
¥120,000(1979年頃)
解説
4DC構成を採用したステレオプリメインアンプ。
高域でのスイッチング特性に優れた新開発の集団トランジスターRETを採用しており、困難とされていた高域におけるフルパワー時の特性を大幅に向上させています。
また、低域における特性向上のために、動特性に優れた左右独立の大型トランスと15,000μFx4のコンデンサーを使った電源部を搭載しています。
さらに、パワー部からスピーカー端子までの配線には抵抗値が従来の1/4に減少する極太14番線(2.03φヨリ線)を使用するなど、徹底した低インピーダンス化を図っています。
音の入口から出口まで、全ての増幅段(MCヘッドアンプ、イコライザーアンプ、フラットアンプ、パワーアンプ)をDC化した4DC構成を採用しており、各増幅段の安定したNFB動作により、位相特性や低域特性を高めています。
A-008にはAB級動作を採用しています。音楽信号の大部分をパワートランジスタのスイッチング歪が無いA級動作で再生しており、しかも電力の利用率は一般のB級アンプに近い高能率なため、音楽信号のピーク成分に対しても余裕のある再生が可能となっています。
イコライザーアンプは、初段差動部にローノイズデュアルFETを採用し、さらにカスケード接続した3段直結で、入力コンデンサーを除去したICL回路となっています。
デュアルFETは、素子自体が高SN比であるほか、カスケード接続によってFETのドレイン-ゲート間の電圧を抑えて、ノイズの発生を防ぐなどにより、高いSN比を得ています。
MCヘッドアンプはNFBが安定にかかるDCアンプ構成を採用しており、初段にローノイズトランジスタを使用した3段直結A級SEPPで構成されています。
負荷抵抗5段階、負荷容量5段階がそれぞれ独立で選べ、合計25種類のカートリッジロードが設定できます。
Bass/Trebleともにメイン、サブと2つのコントロールポジションをもつツインコントロールを搭載しています。
また、トーン回路をパスしてフラットな特性が得られるトーンON-OFFスイッチを搭載しています。
ボリュームには連続可変デシベル表示アッテネーター型ボリュームを搭載しています。
サブソニックフィルターを搭載しています。
プリ部とパワー部の分割使用が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
実効出力(両ch駆動、8Ω) | 80W+80W(5Hz~30kHz、THD 0.01%) 80W+80W(5Hz~70kHz、THD 0.05%) |
高調波歪率 | 0.01%(実効出力時、5Hz~30kHz、8Ω) |
混変調歪率(50Hz:7kHz=4:1) | 0.01%(実効出力時、8Ω) |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動、8Ω) | 5Hz~50kHz(THD 0.01%) 5Hz~100kHz(THD 0.05%) |
周波数特性(1W出力時) | 5Hz~200kHz +0 -1dB |
ダンピングファクター | 40(5Hz~30kHz、8Ω) |
SN比 | 115dB(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) |
<プリアンプ部> | |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2(MM):2.5mV/100Ω、10kΩ、25kΩ、50kΩ、100kΩ Phono1、2(MC):250μV/100Ω Tuner、Aux、Tape play1、2:150mV/50kΩ |
カートリッジ負荷容量 | Phono1、2(MM):100pF、200pF、300pF、400pF、500pF |
Phono最大許容入力 (1kHz、THD 0.01%) |
MM:300mV MC:30mV |
高調波歪率(5Hz~30kHz) | 0.005%(1V出力) 0.01%(10V出力) |
周波数特性 | Phono:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、Aux、Tape play:5Hz~100kHz +0 -1dB |
SN比(IHF、Aネットワーク、 ショートサーキット) |
Phono MM:90dB Phono MC:73dB Tuner、Aux、Tape play:105dB |
サブソニックフィルター | 15Hz、6dB/oct、12dB/oct |
<総合> | |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:2系統 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 210W(電気用品取締法) 580W(最大) |
外形寸法 | 幅420x高さ155x奥行408mm |
重量 | 17.2kg |