解説　

P-1を3シリーズ開発で培った技術とノウハウによって見直して開発されたMCカートリッジ。

独自の磁路形状の最適化技術によって均一な発電磁場の生成に成功しており、磁気材料の最適化と相まって理想的な磁気回路を実現しています。
P-1Gでは磁気回路を見直し、ヨーク形状を高能率で磁場の均一性に優れた形状に設計しています。また、磁気回路を構成しているパーメンジュール材は磁性材料中最も磁束密度Bm、保持力Hcが高く、安定な磁場を構成しています。
マグネットはサマリウムコバルトマグネットを継承しています。

ベースにはチタン材削り出し素材にDLC(Diamond Like Carbon)処理を行って採用しており、メカニカルアースの確率を図っています。
DLCはイオンを利用した気相合成法によって合成されるダイヤモンドに類似した高硬度・電気絶縁性を持つカーボン薄膜で、表面硬度をダイヤモンドに次ぐHv=3000以上に高め、高剛性、振動減衰特性に優れた筐体ベースを実現しています。

カートリッジボディには強度と減衰特性が自然な天然素材である黒檀を使用しており、チタンベースとの復号化で高度の無共振・無振動構造を実現しています。

発電コイルからのリード線の微小共振と損失抵抗を抑えるため、ワイヤダンパーを追加しています。

全パーツを精密削り出し加工で制作しており、精度を確保することで発電系以外の振動の徹底排除を図っています。

カンチレバーには無垢のボロン材を採用しています。

発電回路には6N無酸素銅線を採用しています。

飽和磁束密度の高い純鉄コイルボビンを採用しています。

機種の定格

型式	MC型カートリッジ
発電方式	ムービングコイル式
インピーダンス	4Ω(6N無酸素銅線)
適正針圧	1.7～2.0g
出力電圧	0.27mV(1kHz、50mm/s水平方向)
コンプライアンス	8.0x10-6cm/dyne
再生周波数範囲	10Hz～30kHz
セパレーション	30dB以上(1kHz)
チャンネルバランス	1dB以内(1kHz)
推奨使用温度範囲	20～26℃
本体質量	10.2g
スタイラスチップ	ダイヤモンド(ラインコンタクト/曲率 0.03x0.003mm)
カンチレバー	ボロン無垢 Φ0.26
マグネット	サマリウムコバルト
磁気回路構成材料	パーメンジュール
ベース材質	チタン材削り出し(Diamond Like Carbon処理)
ボディ材質	黒檀材削り出し
針交換	￥171,600