ONKYO Torino#3 ST-3
¥60,000(1セット、1991年頃)
解説
サテライトユニットを限界まで小さくし、点音源に近づけながら、低音域は1つのウーファーユニットで受け持たせるという新しい発想による3D(スリーディメンション)方式のスピーカーシステム。
サテライトユニットには、8cmのコーン型スピーカーを採用しています。
家庭での小音量で使う事を前提としており、小型化、軽量化が可能なショートボイスコイルを採用しています。これによりボイスコイル自身の磁気ループによる干渉が少なく、第2次高調波歪を抑える事に成功しています。
さらに第3次高調波の低減をするために銅キャップを採用しています。
ユニットの振動板は自然界の中で最も結晶化度の高いホヤのセルロース(繊維)をコーン紙に混抄することにより、軽量と剛性、気密、内部ロスを得ています。また、コーン紙の表面には、特殊コーティングを施すことにより、湿度によって音質が変化するのを防止しています。
さらにエッジには人口皮革エッジを採用しています。
フレームには高ロス、高剛性のエンプラ樹脂フレームを採用しています。
サテライトユニットの周波数特性をコントロールすることによって、サテライトだけの単独使用でも高性能を発揮します。
3D使用時はウーファー部にネットワークを設けています。
低域には16cmのコーン型ウーファーを採用しています。
北極圏に近い高緯度で産出された木材パルプに、結晶化度の高い植物セルロース(MFC)を精製して混抄しています。
この2種類のセルロースの一体化による紙層ネットワーク形成の結果、軽量と剛性、気密、内部ロスを実現しています。
さらに、ウーファーユニットの磁気回路の後部に鉛のアコースティック・スタビライザーを設置しており、振動板が動く時に発生する反作用の影響を排除しています。
ウーファー部の設置場所や音楽の種類により、低音域の音量レベルが調整できるボリュームを搭載した、20Wのミキシングアンプを搭載しています。
また、サテライト用に15W+15Wの2チャンネルアンプを搭載しています。
エンクロージャーは、ウーファー部がウォールナットの天然ツキ板オイル仕上げで、サテライト部はウォールナットの天然無垢材を使用しています。
機種の定格
方式 | 3Dサテライト・スピーカーシステム |
再生周波数帯域 | 50Hz~20000Hz |
クロスオーバー周波数 | 200Hz |
<サテライト部> | |
型式 | 1ウェイ・1スピーカー・密閉方式 |
使用ユニット | 中高域用:8cmコーン型x2 |
外形寸法 | 幅102x高さ96x奥行118mm |
重量 | 0.65kg |
<ウーファー部> | |
型式 | アンプ内蔵・1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式 |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型 |
アンプ出力 | ウーファー用:20W(EIAJ) サテライト用:15W+15W(EIAJ) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅279x高さ203x奥行261mm |
重量 | 9.5kg |