ONKYO Scepter E-804A
¥128,000(1台、1973~74年頃?)
¥139,000(1台、1974年頃)
解説
セプターシリーズのスピーカーユニットを採用したScepter Eシリーズの4ウェイフロア型スピーカーシステム。
Scepter Eシリーズではホーンで球面波が得られるオンキヨー独自の拡散ホーン技術が採用されています。
ホーン開口面で球面波を再生するには、ホーン中心部から出る音に比べて周辺部からの音が遅れて出てくるようにする必要があります。拡散ホーンでは、ホーン全体が無数の小さなホーンの集合体であると考え、周辺部になるほど音道が長くなるよう回り道になるように設計されています。中域では角型ホーン、高域では丸型ホーンをしようしていますが、いずれも同じ考え方で設計されています。
これによりホーンの弱点である指向特性を改善しています。
低域には30cmコーン型ウーファーであるW-300Aを搭載しています。
新開発の軽量コーンや発泡ネオプレンゴム・エッジの採用によって振動系の軽量化を図るとともに、パイプオルガンのファンダメンタルと同じ16Hzのfoを実現しています。
中域にはホーン型スコーカーであるHM-450Aを搭載しています。
このユニットは、ホーンの材質と形状に独自の工夫が加えられており、ホーン内部で音波を球面波に変えることによってホーン型の弱点である指向特性を大幅に改善しています。
振動板には超硬質ジュラルミン箔ダイアフラムを採用しており、バックキャビティで積極的な空気制動を行う事で、音質に影響する過渡特性や歪特性の改善を図っています。
HM-450Aはカットオフ周波数は450Hzと低いにもかかわらず拡散ホーンによってホーン長は短くなっており、しかも高域は二重イコライザの採用によって13kHzまで再生を可能としています。
高域にはホーン型トゥイーターであるTW-1500Aを搭載しています。
このユニットは360゜方向に対してブロードな指向性を持っており、カットオフ周波数も使用帯域より充分低くとることでカットオフ付近での音質劣化による影響を排除しています。また、ホーンには高精度アルミ切削加工が施されており、拡散機構と相まって、いわゆるホーン臭さを排除しています。
振動板には超硬質ジュラルミン箔ダイアフラムを採用しています。
超高域にはホーン型スーパートゥイーターであるTW-3300Aを搭載しており、40kHzの超高域までの再生を実現しています。
中域と高域用にレベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーは天然大理石を天板に使用した80Lの密閉型となっています。
マルチアンプ端子を搭載しています。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・4スピーカー・密閉方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型(W-300A) 中域用:ホーン型(HM-450A) 高域用:ホーン型(TW-1500A) 超高域用:ホーン型(TW-3300A) |
再生周波数帯域 | 25Hz~40kHz |
最大入力 | 60W |
定格入力 | 30W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 94dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 550Hz、7kHz、14kHz |
内容積 | 80L |
外形寸法 | 幅447x高さ765x奥行387mm |
重量 | 44kg |