ONKYO Monitor 500X
¥98,000(1台、1988年発売)
¥89,900(1台、1991年頃)
解説
オンキョーがそれまでに得た高剛性化/無共振化技術の全てをコンパクトな2ウェイに投入し、ハイクオリティを追求して開発されたスピーカーシステム。
低域には23cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には、細密なカーボンファイバーの開発によって高剛性と軽量を両立した2層構造ピュア・クロスカーボンをベースに、コーン内周部で半頂角を変化させた無共振化構造を導入しています。さらに、バインディング材に内部損失を大きく確保する特殊高分子化合物を採用して減衰特性も改善しています。
また、エッジ素材にはリニアリティに優れたエンジニアリング・エラストマーを仕様しており、ハイ・コンプライアンス化して低域の再生限界を下方へ拡大しています。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板には高剛性を追及したプラズマ・カーボナイトチタンを搭載しており、低域と同じカーボン素材による全帯域の統一をしています。プラザウマ・カーボナイトチタンとは、チタンの基材部にプラズマ法による表面硬化処理を施したもので、高硬度のセラミック化チタンとカーボナイト部の3層構造を形成して、純チタンの6倍の硬度を得ています。このプラズマ法はコーティング法とは異なり、チタン基材そのものを硬化させることでダイアフラムの厚みや重量の増加がほとんどありません。また、振動板の外周部に強度を向上させるリブ構造を設けることで、可聴帯域外の30~50kHzにある高域共振のピークをフラット化し、可聴帯域内の過渡応答を向上させています。
さらに、トゥイーターユニットには、アルミダイキャストスペーサーとアコースティック・アブソーバーを用いてフロンとバッフルから振動的にアイソレートしています。
ウーファー・トゥイーターともにキャンセリング・マグネットを用いて磁力線の漏れを抑えた防磁設計となっています。
ネットワーク部は、単にウーファー回路とトゥイーター回路をセパレートするだけでなく、コンピューターと連動した磁束分布測定装置を駆使して最もクロストークが少ないネットワーク配置を決定しています。また、アンプ回路設計の経験から得られたアースライン強化の思想を取り入れ、集中一点アースによって音場感を向上させています。
使用しているパーツには、飽和レベルの高い珪素鋼板入りコイルやオーディオ用コンデンサー、OFC配線材を採用しています。
エンクロージャー構造は、高密度な硬質パーティクルボード製キャビネットに、レジンコンクリート製のフロントバッフルを取り付けた2重構造を採用しています。
レジンコンクリート素材は特に比重が大きく強度に優れているため、ダイアフラム動作の反作用として生じるユニットからの不要振動を低く抑える事ができ、聴感上有害な時間的な遅れのある前面バッフルの音圧放射を減少させています。また、高剛性という素材的なメリットと同時にレジンコンクリートはミクロンオーダーの精密な形状への加工が可能で、特になめらかな曲線の組合わせで構成した4面ラウンドバッフルを成型・採用しています。
また、エンクロージャーの無共振化技術であるアイソレーテッド・マウントシステムを導入しており、ウーファーユニットはレジンコンクリート製フロントバッフルに取り付け、トゥイーターユニットはアルミダイキャスト・スペーサーとアコースティックアブソーバー(拘束ダンピング材)とともにバッフル内部のパーティクルボード製サブバッフルにネジどめしています。これにより2つのスピーカーユニットの振動面での独立性を高めています。
別売りで、Monitor500X専用のスピーカースタンドがありました。
硬質素材の採用や定在波の発生が無い1脚構造を採用しています。また、側面に4個の金属製ポイントを装備しており高さの微調整が可能です。
機種の定格
型式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:23cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~45000Hz |
最大入力 | 200W(EIAJ) |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧 | 88dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2600Hz |
キャビネット内容積 | 19.5L |
外形寸法 | 幅257x高さ452x奥行308mm(サランネット含む) |
重量 | 16kg |
別売:スピーカースタンド AS-500H(2台1組、¥40,000) | |
外形寸法 | 幅320x高さ498x奥行340mm |
重量 | 8.8kg |