ONKYO M90
¥62,000(1台、1980年発売)
解説
Monitor100の設計思想を100%受け継ぎ設計されたスピーカーシステム。
ダイナミックレンジの拡大、再生レンジの拡大、リスニングエリアの拡大を追求しています。
低域には32cmの回転抄造コーン型ウーファーを搭載しています。
Monitor100用ウーファーの設計ポリシーをそのまま受け継いで開発されており、大入力にも安定した振動モードを確保し歪の発生を抑える回転抄造コーンを、160φx85φx17mmのマグネットと76φmmロングボイスコイルで駆動しています。
さらに、エネルギーの高効率変換を図るため、放熱性に優れたリンセイ銅箔のボイスコイルボビンやアルミ製ボイスキャップを採用し、耐入力を改善しています。
また、ダンパーには折りアミド系繊維を使用し、フレームには強固なアルミダイカストフレームを採用しています。
中域には0.37gと軽量で剛性の高い10cmカーボン混抄コーン・スコーカーを搭載しています。
振動板の物性の良さに加え、高域特性に優れたチタンダストキャップの採用や、1.8Lという充分な容積を持たせたバックチャンバーの設置などにより、広い再生レンジを実現しています。
磁気回路には12000gaussの高磁束密度を持つ磁気回路を採用しています。
高域には3cmダイレクトドライブ型トゥイーターを搭載しています。
厚さわずか12.5μのポリイミド箔振動板基材に、20μのアルミ箔を重ね合わせたフィルムの上に、円環状のボイスコイルパターンをエッチングしたダイアフラムを採用しています。
このダイアフラムは質量26mgと極めて軽く、70kHzの超高域再生を可能にした他、形状自体が円環状でさらに精密なアルミ切削加工のイコライザを使用しているため、全方向に対し均一な指向性を実現しています。
駆動系には90φx45φx13mmのものを2個用い、重量的に120φx60φx15mmのマグネットに相当する磁気回路を実現しています。
ネットワークには低損失コンデンサや低抵抗・内部配線材などを厳選して用いると共に、定数の絞込みにはコンピュターシミュレーションを導入し、さらに聴感検査を通じて最適定数を決定しています。
中域、高域用にレベルコントロールを搭載しています。
トゥイーターとスコーカーを同一パネルに取り付ける方法を採用しており、さらにパネルには10mm厚の堅固なアルミダイカストを使用することで、ウーファーの音圧に起因する振動の遮断を可能にしています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:32cmコーン型(W3513A) 中域用:10cmコーン型(MD1011B) 高域用:3cmダイレクトドライブ型(TW322B) |
再生周波数帯域 | 30Hz~70000Hz |
最大入力 | 120W |
瞬間最大入力 | 1200W |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧 | 92dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 700Hz、4.5kHz(W、MD、TW共12dB/oct) |
キャビネット内容積 | 60L |
外形寸法 | 幅387x高さ694x奥行334mm |
重量 | 23kg |