ONKYO M-6
¥52,000(1台、1976年頃)
解説
音楽をより楽しくきかせるというオーディオ再生の原点に立ちかえって開発されたスピーカーシステム。
低域には31cmコーン型ウーファーであるW-3503Aを搭載しています。
振動板には大入力に強いマルチコルゲーション付シートコーンを採用しており、78φmmの大口径ロングボイスコイルでドライブしています。また、磁気回路には10,000gaussの磁束密度を確保する180φx95φx15mmの大型マグネットを使用しており、ポールには電流歪によるfh付近の高調波歪を低減させる降下を持つ銅製ショートリングをつけ、磁気回路での歪対策が図られています。
エッジ部にはコーン紙側が高密度で薄く、フレーム側は低密度で厚くなるように成型された特殊成型発泡ウレタンフォームエッジを採用しており、軽量かつ適度な内部ロスを確保しています。
ダンパーには耐熱性に優れ強度が高く、履歴現象にも優れた応答特性を持つポリイミド積層板を蝶ダンパーとして国内で初めて実用化しており、新構造のエッジと共に経時変化が少なく効果の高いサスペンション系を実現しています。このポリイミド板はダンピング特性とQm(機械抵抗)が他の素材と比べて優れており、M-6ではウーファーのボイスコイルにも採用し、低域特性を改善しています。
M-6では、このウーファーをフルレンジに近く使用することでファンダメンタル帯域を殆どウーファーのみでカバーしています。これにより定位感を改善し、音像の再現力を高めています。
高域には4cm複合型トゥイーターであるTW-406Aを搭載しています。
ヤング率が高く軽量にできるチタン振動板と、軽く内部ロスの大きいカーボンコーンを組み合わせた複合構造によって高域特性を改善しています。
レベルコントロール部にはモードセレクターを採用しています。
このセレクターではモード1は通常のリスニングルーム向きとなっています。また、モード2はソースによって高・低域を強調したい時や部屋の音響特性がデッドな場合に適しています。モード3は中高域が響きすぎるライブな部屋に適しており、中高域を抑えた大人しい音になります。
エンクロージャーはバスレフ方式を採用しており、バッフル板には20mmの米松合板を、側板には18mmの針葉樹チップボードを採用しています。また、バスレフポートには低域の制動を改善するスリットが設けられています。
バスレフポートとトゥイーター部は取付位置が同寸で同一サイズとなっており、片チャンネルの取付位置を逆にすることで左右対称型のユニットレイアウトにできます。
外観はポリウレタン塗装が施されています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:31cmコーン型(W-3503A) 高域用:4cm複合型(TW-406A) |
再生周波数帯域 | 30Hz~20kHz |
最大入力 | 100W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧 | 95dB/W/m |
最大出力音圧レベル | 115dB/m |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
セレクター | 3段階モードセレクター |
内容積 | 65リットル |
外形寸法 | 幅392x高さ680x奥行375mm |
重量 | 23kg |