ONKYO E-212A
¥29,800(1台、1974年発売)
解説
スリット方式とツインドライブ方式を採用した2ウェイスピーカーシステム。
スリット方式ではウーファーユニットの前面にスリットが設けられています。このスリットの効果によって波面が球面状となることで指向特性を改善しており、1kHzでも殆ど指向性がつかず、ブロードな特性を得ています。
E-212Aではツインドライブ方式を採用しています。
この方式では、2本のウーファーユニットはコーン紙・ボイスコイルをはじめ振動系各部の材料が若干異なり、foやQoを含めた周波数特性やインピーダンス特性を微妙にずらしています。さらに、キャビネット内部に設けたテーパー付き仕切り板によって内部干渉を防ぎ、ネットワークも2本のウーファーそれぞれに専用の回路が設けられています。
これらの構造によって、従来の同一ユニットパラレル駆動の欠点が改善されています。
低域にはハイコンプライアンスタイプの16cmコーン型ウーファーを2種類搭載しています。
コーン紙にはヤング率が高く分割振動が起こりにくい外国産針葉樹材の長繊維を採用し、新開発のエッジによりウーファー振動系の軽量化とリニアリティの向上を図っています。また、ダンパーにも合成が高く大振幅にも対応できる合成繊維を採用しています。
高域には2.5cm逆ドーム型トゥイーターを搭載しています。
このユニットには内周駆動・逆ドーム方式を採用しており、凹面を前面に配しボイスコイルを振動板の中ほどに取り付けた構造となっています。これによりローリング現象が抑えられ低域動作が安定しています。また、特に振動板自体が柔らかい場合に高域で起こりがちな分割振動による特性上の劣化もありません。さらに、振動姿態をレーザーで観察して最も効率の良い駆動点を選択しているため、ホーン型に近い高能率を実現しています。
振動板には厳選された外国産パルプを採用しています。
エンクロージャーはは硬質パーチクルボードを使用しており、内部はテーパーによって17リットルと11リットルに分割された密閉構造となっています。
また、外観は白木調のセン仕上げが施されています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型x2 高域用:2.5cm逆ドーム型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~20kHz |
最低共振周波数 | 60Hz |
最大入力 | 40W |
定格入力 | 20W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 1000Hz |
エンクロージャー内容積 | 28L(17L/11L分割) |
レベルコントロール | 高域用 |
外形寸法 | 幅305x高さ550x奥行264mm |
重量 | 13kg |