解説　

4ウェイのフロア型スピーカーシステム。

E-154Aの設計では楽器の音色を決定する部分音(高調波成分)を重視しており、20kHzまでの再生帯域のより正確な再生を重視しています。
これを実現するためE-154Aでは人間の可聴範囲を上回る40kHzの超高域再生を可能にしており、20kHzでの指向性を軸上だけでなく30゜の位置でも-4dBに抑える事で余裕のある高域再生を実現しています。

低域には38cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板のセンターキャップにも注意が払われており、センターキャップによってコーン紙の強度をさらに高めて異常振動を抑えると共に、キャプ自身の音の放射を抑制するよう設計や材質上の考慮がされています。
ボイスコイルには従来の紙より熱伝導率が高いアルミ箔を採用しています。
このユニットには30φx30mmのマグネットを従来のウーファーの約2倍の8個使用した強力な磁気回路を搭載しています。最低共振周波数は40Hz、単体のfoは20Hzを実現しており、迫力のある低音再生が可能です。

中域にはホーン型スコーカーを搭載しています。このユニットは単体で販売されたHM-500Aと同じ設計が採用されています。
振動板には硬質ジュラルミン」を使用しており、逆ドーム形状としています。これによりエッジ部の反共振による影響が少なく、低域での歪率を左右するエッジ部の直線性を重点的に改良できています。また、エッジは低域での振幅を充分に取れるようにラウンドエッジとしています。
ボイスコイルではボビンに硬質アルミ箔を用いる事で過渡特性や許容入力を改善しています。マグネットには100φx60φx15mmの大型バリウムフェライトマグネットを使用しています。
ホーン部は設計段階からホーン内部での反射による特性上のあばれを取り除くと共に、ホーン自体の共振に対する材質上の問題解決が図られており、いわゆるホーン臭さを抑えたエクスポネンシャルホーンを実現しています。

高域にはホーン型ツィーターを搭載しています。
振動板にはマイラーフィルム系のダイアフラムを使用しています。また、マグネットには25φx20mmの大型マグネットを使用しており、過渡特性が向上しています。
イコライザ部には特殊形状の精密加工イコライザを採用しており、20kHzまでの高域再生を可能にしています。
ホーンにはカットオフ周波数2kHzのダイカスト製ホーンを採用しています。

超高域にはホーン型スーパーツィーターを搭載しています。
振動板には厚さ30μの硬質ジュラルミンを使用しています。また、ボイルコイルには高純度のアルミ導線を採用しており、振動系の軽量化を図っています。
磁気回路には30φx20のマグネットを採用ています。
イコライザには特殊形状の精密加工イコライザを採用しており、40kHzまでの再生を可能にしています。
ホーン部は開口直径を34.7mmと小口径に設計する事によって20kHzでの指向性は30゜で-4dB、60゜で-8dBに抑えられています。素材にはアルミダイカストを採用しています。

レベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーはラワン合板製で、板厚は15mm、18mmと場所によって厚みを変えた構造となっています。
外観はオイル仕上げが施されています。

マルチアンプ端子を搭載しており、スイッチの切換によってマルチアンプ再生が可能です。

機種の定格

方式	4ウェイ・4スピーカー・密閉方式・フロア型
使用ユニット	低域用:38cmコーン型 中域用:ホーン型 高域用:ホーン型 超高域用:ホーン型
再生周波数帯域	20Hz～40kHz
fo	40Hz
定格入力	30W
最大入力	60W
インピーダンス	8Ω
出力音圧	103dB/W
クロスオーバー周波数	700Hz、5kHz、9kHz
エンクロージャー内容席	150リットル
外形寸法	幅580x高さ950x奥行440mm
重量	50kg