ONKYO Integra C-901XD
¥99,800(1988年頃)
解説
18ビットスーパーリアル光コンバーターや光伝送方式を採用したCDプレイヤー。
音楽信号の源となるD/Aコンバーターの定電流源を、光のエネルギーが生み出す電気エネルギーで構成する18ビット光コンバーターを搭載しています。さらに、左右専用のD/Aコンバータ−に対応し、それぞれに専用の定電流源を持つデュアル光コンバーター構成となっています。
光コンバーターでは、定電流源は他のデジタル回路やアナログ回路の電源と分離されており、外部ノイズの干渉の無い高純度伝送が可能となっています。
D/Aコンバーターには左右独立の18ビット・スーパーリアルD/Aコンバーターを搭載しています。
ラダー型18ビットD/Aコンバーターは、無調整で使用しても充分な品質を持ち、通常は最も重量なビット(1ビット)のみ調整されていますが、C-901XDでは左右各4ビット分の調整を行い、より高精度なD/A変換を実現しています。
送受光素子間を光ファイバーで結ぶオプトリンクモジュールとフォトカプラーを伝送スピードで使い分け、6本の全信号経路を光伝送することで、電気的にループを切断し、デジタルノイズの侵入を排除しています。
デジタルフィルターには8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用しています。これにより、サンプリング周波数を44.1kHzから8倍の352.8kHzにシフトアップさせ、音質劣化の原因となるローパスフィルターの遮断特性を軽減しています。
また、この8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターは、元オーディオ信号の8倍のデーターを出力するため、DACダイレクト(D/A変換直後)の出力から、ローパスフィルターを通らない原音のクオリティで音を楽しむ事が可能です。
アコースティックフィードバックや床からの振動による影響を抑えるため、前後、左右に完全に締め付けたボックス構造(ダブルシャーシ)を開発して剛性を高め、さらに底板やシャーシから伝播してくる振動を、ボックス構造の内部にサンドイッチした2種類の特殊制振材により吸収するダブルシャーシをベースとして採用しています。
メカニズム部本体には、1.6mmシャーシにアウトサート複合成型品を組合わせた共振分散構造の高剛性シャーシを採用しています。さらにピックアップ取り付けのサブシャーシも本体と同じ構造を用い、本体シャーシとは切離して、特殊スプリングとシリコンゴムで垂直・水平の両モードの制振を行っています。
また、メカ本体のシャーシを、高剛性ダブルシャーシに無反発ゴムで分離して取り付けるダブル・アイソレート方式を採用しており、内部振動やスピーカー振動を抑えています。
ピックアップの駆動には振動の少ない新開発リニアスライド・モーターメカニズムを採用しています。
電源からの磁気フラックスの侵入を防止するため、電源ブロックと電子回路ブロックとの間にセパレーターを設置し、トップカバーも2ピース構造にして両ブロックを完全に分離しています。さらに、デジタル回路ブロックとアナログ回路ブロック間にもセパレーターを設け、デジタルノイズを抑えています。
電源部にはデジタル・アナログ専用のトランスを設けた2トランス構成となっています。オーディオ系トランスには、容量的に300%の余裕を持つトランスを採用しています。
同軸と光の2系統のデジタル出力端子、固定と可変、ダイレクトの計3系統のアナログ出力端子を搭載しています。
特にアナログダイレクト端子は、アナログのローパスフィルターを通さずにD/Aコンバーターから直接出力が可能です。
ランダムダブルカレンダーを搭載しています。
金メッキヘッドホン端子や出力レベルボリュームを搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
サンプリング周波数 | 352.8kHz(8倍オーバーサンプリング) |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
高調波歪率 | 0.0015%(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 103dB |
S/N比 | 110dB |
ワウフラッター | 測定限界以下(水晶精度) |
出力レベル(アナログ) | 2Vrms(固定、可変、ダイレクト) |
ピックアップ | 半導体レーザーピックアップ(3ビーム方式) |
デジタル出力端子 | 2系統(同軸、光) |
ライン出力端子 | 3系統(固定、可変、ダイレクト) |
外形寸法 | 幅435x高さ131x奥行365mm |
重量 | 9kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |