ONKYO Integra C-901FX
¥85,000(1991年頃)
解説
D/A変換部にはアキュパルスクォーツシステムとシングルビットD/Aコンバーターを組合わせたアキュパルスD/Aコンバーターを搭載したCDプレイヤー。
デジタル信号の正確な信号周期を得るため、水晶発振子と発振回路を改良したアキュパルスクォーツシステムを搭載しています。外部振動に対して影響を受け難い形状の小型水晶を採用するとともに、素子を防振材料(パリソーラバー)で保護することで、外部からの振動を抑えています。また、発振回路はコンデンサーとコイルからなる共振回路を付加し、電気的にフライホイール効果を持たせ、瞬間的に起こる変動を吸収しています。
また、ゼロシフト方式ノイズシェーパーを搭載しており、量子化ノイズ周波数特性をゼロ点に分散させることにより、オーディオ帯域の高域成分ノイズを低減しています。これによりオーディオ全帯域では16ビット精度を確保しつつ、聴感上重要な12kHz付近までは20ビット精度を維持しています。
さらに、デジタルからアナログへ変換する過程で、PWM(パルス幅変調)回路を通ります。この時、ハイレベル信号や周波数が高くなった時の歪発生などの問題を解消するために、PWMコンバーターを2つ配置しています。
この2つのPWM回路をコンプリメンタリー動作させ、それぞれの出力をディストーションキャンセラー回路に入力することにより、歪成分を打消し、オーディオ信号だけを出力します。
シングルビットD/Aコンバーターにこれらの技術を投入することで、従来のマルチビットD/Aコンバーターが持っていた、ゼロクロス歪や非直線性歪を解消しています。
ディスクトレイには、ディスク演奏中の不要共振を排除するため、高剛性アルミダイキャストを採用しています。
さらに、振動が最も伝送されにくいセンター部分にレイアウトすることで、有害な共振モードの伝達を抑え、電子回路への振動を伝えない構造となっています。
また、駆動系にはハイスピードアクセス・リニアモーターを採用しており、クイック動作を実現しています。
メカニズム部はコンピューターシミュレーションにより振動の一番小さい中央部に、本体シャーシとは分離配置しています。さらに、特殊スプリングとシリコンゴムで垂直/水平の両モードに対して制振を行うスーパー・アイソレート・フローティング・サスペンションを採用して、外乱振動の影響を排除しています。
電源部には、磁気リーケージフラックスを従来トランスの約30分の1まで抑えた、オンキョー独自のLASERトランスを2個搭載しています。これにより、電子回路内に磁気誘導による有害ノイズを発生させるリーケージフラックスを低減しています。
光伝送方式を採用しており、CDデータを光で伝送して電気的ループを遮断し、デジタルノイズのアナログ回路への侵入を排除しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
サンプリング周波数 | 352.8kHz(8倍オーバーサンプリング) |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
高調波歪率 | 0.002%以上 |
ダイナミックレンジ | 100dB以上 |
SN比 | 110dB以上 |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(水晶精度) |
ピックアップ | 半導体レーザーピックアップ(3ビーム方式) |
出力レベル | アナログ:2Vrms(固定、可変) |
外形寸法 | 幅435x高さ132x奥行358mm |
重量 | 8.9kg |
付属 | リモコン |