ONKYO Integra C-1E ver.2
¥180,000(1994年頃)
解説
Quest IntegraシリーズのC-1Eをベースに、回路の基本動作見直し、高音質部品を導入したCDプレイヤー。
D/A変換部には、ONKYOカスタムのデジタルフィルターSM5843APを核にしたFPCS(Fine Pulse Conversion System)を開発・搭載しています。
このFPCS構成は、SM5843APにフィリップス社のSAA7350とTDA1547を左右独立に2個使用するというもので、SAA7350の8fsの信号を192fsに生成するアップサンプリング機能を使用し、データーインターフェース回路を通して左右独立のD/AコンバーターTDA1547に入力することで、高品位なD/A変換を実現しています。
さらに、より正確な信号を得るため、2倍のサンプリング周波数に匹敵する滑らかな補間が可能なデジタルフィルターを搭載しています。
高精度なD/A変換の基準となるマスタークロックには、振動に強い棒状水晶発振子を制振性に優れたポリソーブクッションにマウントしたAccuPulseQuartz方式を採用しています。
デジタル信号系やメカ系のノイズによる悪影響を防ぐため、超低リーケージフラックスのLASERトランスとブルーコンデンサーで構成した電源部をアナログ系とデジタル系に独立して搭載するとともに、アナログ2系統、D/A変換部2系統、デジタル部、メカおよびミューティング各1系統の7系統に独立させ、電源部からのノイズの回りこみや干渉などを排除しています。
さらに、表示部にはLEDによるスタティック点灯方式を採用し、表示部からのノイズによる音楽信号の汚れを防いでいます。
また、デジタル信号処理部からのアナログ部への干渉を防ぐため、ミューティングとエンファシス信号はフォトアイソレータで分離しています。
シャーシには、フロントパネル部9mm厚の高剛性・非磁性体のオールアルミ・モノコックシャーシを採用しています。
このシャーシは高精度加工技術により、誤差が±0.5mmの精度に仕上げており、内外面に多くのリブを設けることで、シャーシの剛性の向上や不要共振の低減を図っています。
また、インシュレーターには剛性と制振性を持つデュポンコーリアンを採用し、無共振・高剛性化を徹底しています。
メカ部は、トレイなどの不要振動の少ないオープントップメカをセンター配置で使用するとともに、振動の影響を抑えるため、複数の共振周波数を持つインシュレーターによってシャーシに固定されています。
また、真鍮削り出しのディスクスタビライザーを兼ねたウェイトチャッキング方式により、適正なウェイトバランスを実現しており、エラーのない読み込みを可能にしています。
センター配置のメカを囲むようにデジタル信号処理~D/A変換部~アナログ処理部と配置されており、信号の流れを重視したコンストラクションとなっています。
電源部のコンデンサには、3年の年月を費やして開発されたナンバー923のブルーコンデンサーを採用しています。また、レーダーシュタイン社のフィルムコンなどの高品質パーツを採用しています。
PIN端子には剛性の高い真鍮削り出し金メッキターミナルを使用しており、リアパネルへの取付は左右1ペアを2点止めとし、リジッドに固定しています。
また、左右のターミナルの間隔を18mm確保し、PINプラグの使用を可能にしています。
ON/OFFスイッチ付の光デジタルアウト端子を搭載しており、使用しないときは、OFFにすることでデジタルノイズを低減できます。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
出力 | アナログ:2系統(Fixed、Variable) デジタル:1系統(Optical) |
出力電圧 | 2Vrms |
全高調波歪率 | 0.002%以下(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 100dB |
S/N比 | 106dB(A-weighted) |
セパレーション | 102dB(1kHz) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 20W |
外形寸法 | 幅435x高さ91x奥行355mm |
重量 | 7.6kg |
付属 | リモコン |