オーディオの足跡

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Grand Integra M-510の画像
 解説 

究極の音楽再生を可能にするため、ダブルトランス・ドライブ方式などの技術を投入して開発されたステレオパワーアンプ。

一般的なアンプでは、スピーカーの特性により位相のずれた電流が、フラックスやアースやB電源を通じてアンプの増幅部に帰ってきます。この位相のずれた信号が入力信号にかぶってきて、位相のまじりあったものが入力信号として働きます。このため、もともと音楽情報に含まれている正しい位相情報が乱れてしまい、微妙な位相差をだしている音場感も乱してしまいます。
M-510では、位相のずれたものが増幅部へ帰らないようにするため、電流の経路にインフェイズ・トランスというトランスを搭載しています。このインフェイズトランスでは、プラス側にある波形の電流が流れると、それによってマイナス側にちょうど逆位相で波形の同じ電流が流れます。これにより、プラス側とマイナス側とが相互にコントロールしあって、電源電流に乗って帰ってきた余計な成分だけをキャンセルしています。これにより低音の制動を向上し、優れた低音再生を実現しています。
また、インフェイズトランスによって電源部から発生するフラックスのかぶりを抑え、ローレベルの再生能力も向上しています。

左右の電源トランスを独立させ、信号系以外の電源のためにもう1つのトランスを使用することで、3個の電源トランス構成となっています。さらに、左右の電源回路にはインフェイズトランスを搭載しているため、合計で5つのトランスによる構成となっています。

電源部には33000μF/100Vのコンデンサーのコンデンサーを4本使用しており、固定には独自の防振構造を採用しています。
これは、コンデンサーを固定するベルトの位置や材質によって音が変わる事に着目したもので、音圧による振動を抑える独自の固定装置を新たに開発して使用しています。

出力段にはハイパワートランジスタを片チャンネル14個使用しています。

主用回路の基板にはガラスエポキシ樹脂のプリント基板を採用しています。

フロントパネルには左右独立のパワーメーターを搭載してます。
メーターはレンジの切換えやON/OFFができ、さらに照明も2段階で切換えできます。

ボリューム付の可変入力と、固定入力の2系統の入力端子を搭載しています。

ACケーブルには、直径0.26mmの銅線37本を捻ってリーケージフラックスをキャンセルし、さらに2重スリーブによって共振を抑えた大電流容量低インピーダンスケーブルを採用しています。

ウェイティングインジケーターを搭載しており、電源ON時のウォームアップの状態が確認できます。
ウォームアップ時間は、アイドリング電流を一時的に増やす事によるプリヒート機構が働き、約10分間に短縮しています。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
<アンプ部>
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動) 500W+500W(4Ω)
370W+370W(6Ω)
300W+300W(8Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz) 0.005%(定格出力時)
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) 0.003%(定格出力時)
パワーバンド幅(IHF-3dB、THD 0.2%) 5Hz~100kHz
利得 33.8dB
周波数特性 1Hz~100kHz +0 -1.5dB
入力感度 1V(定格出力時)
0.058V(1W出力時)
入力インピーダンス 20kΩ
SN比(A補正、入力ショート) 120dB(定格出力時)
負荷インピーダンス 1Ω~16Ω(ミュージック)
4Ω~16Ω(電気用品取締法規格連続)
ダンピングファクター 300(8Ω、50Hz)
入力端子 Variable:1系統
Direct:1系統
出力端子 Speaker:2系統
<メーター部>
レンジ切換 x1(0dB=300W)
x0.1(0dB=30W)
指示範囲 x1レンジ:0.01W~800W
x0.1レンジ:1W~80W
-40~+4dB
指示精度 0±1dB
-10±2dB
-20±3dB
応答速度 100μsec(-∞→0dB)
復帰速度 1sec(-0dB→-20dB)
<その他>
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 720W(電気用品取締法規格)
160W(無信号時)
外形寸法 幅507x高さ264x奥行512mm
重量 63kg