ONKYO Integra A-819
¥95,000(1981年頃)
解説
Wスーパーサーボ方式を採用したステレオプリメインアンプ。
Wスーパーサーボ方式は、サーボ回路を用いた純電子的な方法で雑音成分を40dB以上抑えこむと同時に、混変調歪の原因となる有害な超低域成分をカットし、分解能などを向上させています。
最終出力段での増幅にリニアスイッチング方式を採用しています。
この方式では2個のトランジスタを使用し、その際にクロスオーバー歪の原因となる動作特性のつなぎ目を、特殊なバイアス回路で補正しています。
さらに、High fTパワートランジスタの3段ダーリントン構成、プッシュプル回路の採用で、スイッチング歪の影響を無視できる範囲内に追い込んでいます。
MMカートリッジからの入力や、MCカートリッジの微弱な入力にも充分に対応できるハイゲインイコライザアンプを使用しています。
さらにトーンアンプやバッファアンプなどを排して、W・スーパーサーボ方式によるパワーアンプと直結した2アンプ構成とし、音の純度を高めています。
トーンコントロールには、ダイレクトトーン方式を採用しています。
音質に影響を与えないパッシブ素子を採用することで、より高い品質での音質調整が可能です。
低クオリティ信号をそれなりに聴き易くするソフトネス回路を設けています。
電源部には大型電源トランスや、ローインピーダンス・ワイドレンジケミコンを採用し、それを低インダクタンス化するために、プリント基板に直結させて使用しています。
さらに各セクションへの給配電や、アースライン等の要所には銅板製の厚板、ブス(母線)ラインを使用し、徹底したローインピーダンス化を図っています。
信号の急激な変化に伴って、各ブロック間でその熱容量の違いから生じる温度差による、バイアスの不安定な変動を防ぐため、プリドライバー、ドライバー、パワートランジスタの3ヵ所の温度差を検出し、自動的にバイアスをコントロールするオート・トラッキング・バイアス回路を採用しています。
高次高調波の発生を抑える非磁性体素材使用の音質優先設計。
コントロール信号を録音できるPre Out端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | Wスーパーサーボ方式プリメインアンプ | ||||
定格出力(Aux→SP out) | 90W+90W(20Hz~20kHz、8Ω、両ch駆動) | ||||
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.015%/0.012%(AUX→SP Out、定格出力時 / 1/2出力時) 0.003%(Phono MM→Rec Out、3V) 0.015%(Phono MC→Rec Out、3V) |
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混変調歪率(Aux→SP out) | 0.008% | ||||
パワーバンドウイズス | 5Hz~100kHz(Aux→SP out) | ||||
ダンピングファクター | 100(1kHz、8Ω) | ||||
周波数特性 |
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入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.9mV/47kΩ-100kΩ Phono High MC:2.9mV/100Ω Phono MC:180μV/100Ω-330Ω Tuner、AUX、Tape Play1、2:150mV/47kΩ |
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Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz、0.05%) |
Phono MM:250mV/1200mV Phono High MC:250mV/1200mV Phono MC:17mV/82mV |
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出力電圧/インピーダンス | Tape Rec1、2:150mV/2.2kΩ Pre Out:1.5V/600Ω |
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S/N比(IHF A ショート) | Phono MM:87dB Phono MC:69dB Tuner、AUX、Tape Play1、2:100dB |
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トーンコントロール(Vol -16dB) | Bass:±8dB(70Hz) Treble:±8dB(20kHz) |
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ラウドネス | +6dB(100Hz) | ||||
サブソニックフィルター | 15Hz/20Hz、6dB/oct | ||||
ミューティング | -20dB | ||||
電源 | 100V、50/60Hz | ||||
消費電力 | 150W(電気用品取締法規格) | ||||
ACアウトレット | unswitched:1個(200W) switched:2個(計200W) |
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外形寸法 | 幅435x高さ142x奥行385mm | ||||
重量 | 12kg |