ONKYO Integra 725
¥45,900(1969年頃)
解説
Integra701の開発で得た技術を投入して開発されたプリメインアンプ。
パワーアンプ部には全段直結回路を採用しています。
従来の段間及び出力段には結合コンデンサが使用されていましたが、結合コンデンサは超低域や超高域の周波数に対してはフィルターとして動作するため、周波数特性を悪化させてしまいます。また、これによって歪を改善するNFBが十分にかけられない事となり、歪も増えてしまいます。この問題を解決するためには結合コンデンサを取り去る必要があります。しかし、単純に取り除いただけでは直流がスピーカーに流れ込み、音が歪んだりスピーカーを破壊する事となってしまいます。
この問題を改善するため差動増幅回路を採用しています。差動増幅回路ではバランスのとれた増幅系を2組用いる事でスピーカーに流れ込む電流を打ち消すよう設計されています。この差動増幅回路によってコンデンサを取り除いた全段直結回路を実現しています。
パワーアンプ部の性能を活かすため、プリアンプ部の特にイコライザ部を徹底的に解析しています。
イコライザ回路は1kHzで許容入力がある場合でも、高域でその値が急激に悪くなっているアンプがあり、高域でのザラつきや硬さといった音質に結びついていました。この部分を改善するため、Integra725では10kHzの許容入力を930mVに改善しており、音質を追求しています。
また、パワーアンプ部の特性が改善された事でRIAA偏差をよりシビアに追い込む事が可能となっており、より厳密なRIAA偏差を実現しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 全段直結回路 |
定格出力(THD 0.1%、1kHz) | 22W+22W(8Ω) 27W+27W(4Ω) |
ダイナミックパワー(IHF) | 70W(8Ω) 100W(4Ω) |
全高調波歪率(1kHz) | 0.1%以下(定格出力時) 0.05%以下(10W出力時) 0.05%以下(0.5W出力時) |
混変調歪率(SMPTE 70Hz:7kHz=4:1) | 0.05%以下(10W出力時) |
周波数特性 | 15Hz~70kHz、0 -1dB |
パワーバンドウィズ(IHF) | 10Hz~100kHz -3dB |
ダンピングファクター | 60(DC~30kHz) |
SN比(IHF Aネットワーク) | 100dB以上 |
残留雑音 | 0.001μW以下(IHF、入力ショート) |
定格入力電圧/インピーダンス | 1V/100kΩ(10Hz~50kHz) |
負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
利得 | 22dB |
<プリアンプ部> | |
全高調波歪率(1kHz、1V出力時) | 0.05%以下 |
混変調歪率(SMPTE 70Hz:7kHz=4:1) | 0.05%以下(1V出力時) |
周波数特性 | Tuner、Aux1/2、Tape:10Hz~60kHz +0 -1dB(1V出力時) |
RIAA偏差(30Hz~15kHz) | ±0.5dB以内 |
イコライザ許容入力 | 200mV(1kHz) 930mV(10kHz) |
SN比(IHF-A) | Phono1、2:75dB以上 AUX、Tuner:90dB以上 |
入力感度/インピーダンス(1kHz) | Phono1:2.4mV/50kΩ、100kΩ切換 Phono2:2.4mV/50kΩ AUX:100mV/100kΩ Tuner、Tape moni:100mV/100kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Pre out1/2:1V(定格)4V(最大)/2.5kΩ(100kΩ負荷時) Rec out:100mV(定格出力、開放端子電圧) |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
フィルター | High:8kHz、6dB/oct Low:70Hz、6dB/oct |
ミューティング | -20dB |
ラウドネス(Volume-30dB) | +6dB(100Hz) |
トランジェントキラー動作時間 | SW on:4sec. SW off:0.5sec. |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:29個 ダイオード:18個 サーミスタ:2個 |
電源コンセント | switched:1系統 unswitched:1系統 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 30W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅313x高さ136x奥行366mm |
重量 | 8kg |