オーディオの足跡

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CD-10の画像
 解説 

NECの新リファレンスとして発表されたCDプレイヤー。

デジタルフィルターには16fs TFC(Transversal Filtering Circuit)を採用しています。
これは、8fsのデジタルフィルタを使用し、所定のサンプリング周期でサンプリングされた信号と、ソレに対してサンプリング周期の半分だけ遅れた信号とを相加平均し、平均値補完データを作り出す構造となっています。
この16fs TFCではホールドアパチャータイムが14μsecとなり、CDの最高記録周波数である20kHzにおいても、ローパスフィルタの必要性を感じさせない、滑らかな波形を得ています。
CD-10では16fs TFCのゲートアレイ化を行い、よりシンプルでストレートな構成を実現しています。

D/A変換回路には、直線性の良さで選ばれたDACの中から、さらに小レベル時の精度で特別に選んだD/Aコンバーターを左右それぞれ2個使用したバランス型返還回路の4DAC B.S.S(Balanced Summing System)を搭載しています。
また、ユニポーラ型DACをバランス動作させることにより、カップリングコンデンサーを不要とするなど、アナログ部の信号回路のシンプル化を図っています。

電源部には、極太のDFC ACFコードを採用し、A/D完全独立2トランスを搭載しています。
さらに各ステージごと2次側の巻線を分割する独立給電方式を採用することで、電源部でのアナログ系とデジタル系の相互干渉を防止しています。
また、電解コンデンサーには、動的なダイナミズムを追及した結果、全てに余裕ある高耐圧品を使用し、さらに電源ラインの要所にはパターン配線に頼らず断面積が大きく、皮膜の厚い線材(#18)で配線し、より高品質化を図っています。

シャーシ構造には、デジタルノイズの混入を防ぐため、A/D完全分離2BOXシャーシを採用しています。
シャーシ内部をメカニズム・デジタル系とD/A変換・アナログ系とに分離しており、さらにデジタル系、アナログ系はそれぞれ基盤を持ち、アースポイントも独立しているので、デジタルノイズの混入を防止しています。

振動と音の関連に着目し、ダイレクトメカニカルグラウンドコンストラクションを採用しています。
メカベースの脚に焼結合金を採用し、メカトレイに防振材を充填することで共振を防止しています。また、CDプレイヤー内部で振動源となる電源トランスについては、1mmの特殊防振材を介してシャーシより絶縁された3.2mm厚鉄板のトランスベースに固定することで、振動的にも電気的にも分離しています。
さらに、シャーシ底板に通常の1mm厚の鉄板に2mm厚、1.6mm厚の鉄板をプラスした3重構造を採用しており、高剛性の筐体全体をモノコック化し、固有振動を抑えた単純でコントロールされた振動を巨大な重量級の脚(65φ380g)を通して大地に落とし込んでいます。

バランス出力端子を搭載しており、アンバランス出力端子には正相、逆相それぞれの出力端子を搭載しています。
アンバランス出力端子に、アースを共用しない独立型の高給削り出しタイプを採用しています。

シンプルなLED9ケタ表示ディスプレイを採用しています。
さらに、ディスプレイを点灯させることによる音質への悪影響を排除するため、offポジションを搭載しており、offにするとリレーを使って電源から遮断しています。
また、明るめの表示と明るさを抑えた表示が選べる3段階のディマースイッチを搭載しています。

システム全体の極性を合せる、アブソリュートフェーズ(信号極性)切換えスイッチを搭載しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
周波数特性 DC~20kHz ±0.5dB
全高調波歪率 0.0018%以下
ダイナミックレンジ 98dB以上
S/N比 110dB以上
チャンネルセパレーション 103dB以上(1kHz)
ワウ・フラッター 測定限界値以下(水晶発振精度)
出力レベル アナログ:2.5Vrms
デジタル:0.5Vp-p/75Ω(Coaxial)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 21W
外形寸法 本体:幅430x高さ110x奥行き290mm
最大:幅430x高さ117.5x奥行き367mm
重量 13.5kg
付属 ワイヤレスリモコン AR-10